【イベントレポート】PFF最終審査員の吉田恵輔は“個性が爆発“に期待、犬童一心は自身の入選作を振り返る

AI要約

第46回ぴあフィルムフェスティバル(PFF)2024のラインナップ発表会が本日8月8日に東京・LOFT9 Shibuyaにて行われ、吉田恵輔、犬童一心が出席した。

“映画の新しい才能の発見と育成”をテーマとするPFFは1977年に始まった映画祭。これまでに黒沢清、塚本晋也、佐藤信介、李相日、荻上直子、石井裕也、早川千絵、山中瑶子ら180名を超えるプロの映画監督を送り出してきた。

近年は10代に向けての施策が進められているPFF。会見では、まずPFFディレクターの荒木啓子がPFFアワード2024の入選作品として、最年少14歳を含む18歳以下の監督による3作品が入選を果たしたことを説明する。

プログラムの1つとして、過去に入選した8mm作品をデジタル変換して上映する「自由だぜ!80~90年代自主映画」も実施される。犬童は同プログラムで監督作「気分を変えて?」が上映されることに触れ、「当時は高校生でしたが『どういう映画を作ろうか』と思って大学生の自主上映会を観に行ったんですよ。そのときに黒沢清監督の『SCHOOL DAYS』に影響されて、この映画を作ったんです」と当時のエピソードを披露し、「文化祭でも上映したんですが、誰も観に来てくれなくて(笑)。なのでPFFで入選したという連絡をいただいたときに“観てくれた”ということがまずうれしかった」と回想。

さらに荒木は、7月に死去した中村靖日の特集上映についても説明。トークイベントに参加する犬童は「僕の作品に一番出てくださっている方でした」と振り返り、「中村さんに出てもらうのは『会いたい』という思いから。映画の現場では俳優さんと“対面”している感覚なんですが、中村さんの場合は“横”にいてくれたイメージ。カメラの向こうにいる人ですが、スッとそばに入ってくれるので、仲間として作品を作っている気持ちになれた」と吐露。「たまにとんでもない役をやらせてみたくもなって、『のぼうの城』ではスナイパーを演じていただきましたね」とも思い返し、「映画監督って寂しいのかなって。中村さんに癒やされていたんですよね」と振り返った。

【イベントレポート】PFF最終審査員の吉田恵輔は“個性が爆発“に期待、犬童一心は自身の入選作を振り返る

第46回ぴあフィルムフェスティバル(PFF)2024のラインナップ発表会が本日8月8日に東京・LOFT9 Shibuyaにて行われ、吉田恵輔、犬童一心が出席した。

“映画の新しい才能の発見と育成”をテーマとするPFFは1977年に始まった映画祭。これまでに黒沢清、塚本晋也、佐藤信介、李相日、荻上直子、石井裕也、早川千絵、山中瑶子ら180名を超えるプロの映画監督を送り出してきた。

近年は10代に向けての施策が進められているPFF。会見では、まずPFFディレクターの荒木啓子がPFFアワード2024の入選作品として、最年少14歳を含む18歳以下の監督による3作品が入選を果たしたことを説明する。最終審査員である吉田は「僕は一次選考を通ったことがないんです(笑)」と話しつつ「昔は技術的な差の開きが大きかったですが、今はiPhoneできれいに撮れますから、勝負のしどころが変わってきている。だから即戦力で使えそうな監督よりも、不器用だけど個性が爆発している監督を見つけたいですね。自主映画だったら“独り善がり”になってもいいと思う」とコメント。さらに「僕自身もここ10年ぐらいは作品が丸くなってきたというか、うまくまとめるような癖がついてしまったなと。『こいつ、俺が失ったものを持っているな』と思うような作品と出会いたいですね」と期待を寄せた。

プログラムの1つとして、過去に入選した8mm作品をデジタル変換して上映する「自由だぜ!80~90年代自主映画」も実施される。犬童は同プログラムで監督作「気分を変えて?」が上映されることに触れ、「当時は高校生でしたが『どういう映画を作ろうか』と思って大学生の自主上映会を観に行ったんですよ。そのときに黒沢清監督の『SCHOOL DAYS』に影響されて、この映画を作ったんです」と当時のエピソードを披露し、「文化祭でも上映したんですが、誰も観に来てくれなくて(笑)。なのでPFFで入選したという連絡をいただいたときに“観てくれた”ということがまずうれしかった」と回想。そしてPFFで多くの人と知り合ったと述べ「今までは映画を1人で作っていましたが、いろいろな人と作るようになったことで映画制作が“特別なこと”から“当たり前の日常”になったんです」と懐かしんだ。

さらに荒木は、7月に死去した中村靖日の特集上映についても説明。トークイベントに参加する犬童は「僕の作品に一番出てくださっている方でした」と振り返り、「中村さんに出てもらうのは『会いたい』という思いから。映画の現場では俳優さんと“対面”している感覚なんですが、中村さんの場合は“横”にいてくれたイメージ。カメラの向こうにいる人ですが、スッとそばに入ってくれるので、仲間として作品を作っている気持ちになれた」と吐露。「たまにとんでもない役をやらせてみたくもなって、『のぼうの城』ではスナイパーを演じていただきましたね」とも思い返し、「映画監督って寂しいのかなって。中村さんに癒やされていたんですよね」と振り返った。

第46回ぴあフィルムフェスティバル2024は、9月7日から21日にかけて東京・国立映画アーカイブで開催。グランプリなど各賞は9月20日に行われる表彰式で発表される。また11月9日から17日までは京都・京都文化博物館でも行われる。

※吉田恵輔の吉はつちよしが正式表記

※塚本晋也の塚は旧字体が正式表記

■ 第46回ぴあフィルムフェスティバル2024

2024年9月7日(土)~21日(土)東京都 国立映画アーカイブ

※月曜休館

■ ぴあフィルムフェスティバル in 京都2024

2024年11月9日(土)~17日(日)京都府 京都文化博物館

※月曜休館

□ PFFアワード2024 入選作品

・川島佑喜「I AM NOT INVISIBLE」

・王紫音「アイスリンク」

・稲川悠司「秋の風吹く」

・山田遊「あなたの代わりのあなた展」

・山中千尋「Into a Landscape」

・Kako Annika Esashi「END of DINOSAURS」

・中里有希「季節のない愛」

・杜詩琪「鎖」

・林真子「これらが全てFantasyだったあの頃。」

・田辺洸成「さようならイカロス」

・遠藤愛海「さよならピーチ」

・八代夏歌「サンライズ」

・ひがし沙優「正しい家族の付き合い方」

・白岩周也、福留莉玖「ちあきの変拍子」

・渡辺咲樹「チューリップちゃん」

・何英傑「分離の予感」

・畔柳太陽「松坂さん」

・尾関彩羽「よそのくに」

・藤居恭平「わたしのゆくえ」

□ 生誕100年・増村保造新発見!~決断する女たち~

<上映作品>

・くちづけ

・暖流

・巨人と玩具

・黒の試走車(テストカー)

・黒の超特急

・兵隊やくざ

・痴人の愛

・セックス・チェック 第二の性

・盲獣 ※ゲスト:緑魔子

・女体(じょたい)

・大地の子守歌 ※ゲスト:原田美枝子

・動脈列島 ※ゲスト:梶芽衣子

・曽根崎心中

□ 自由だぜ!80~90年代自主映画