「六本木クラス」も吹き飛ばした「チープ」の声…視聴率急落の「スカイキャッスル」にV字回復シナリオ

AI要約

松下奈緒主演のテレビ朝日系連続ドラマ「スカイキャッスル」の視聴率が急落している。原作の韓国ドラマが大ヒットした作品のリメイクだが、制作費やクオリティーの差が指摘されている。しかし、過去の成功例もあり、視聴率のV字回復が期待されている。

韓国ドラマのクオリティーと比べ、日本版「スカイキャッスル」の制作費や設定が安っぽく感じられるという意見がある。しかし、過去のリメイク作品も最初は批判を浴びたが後に視聴率を回復させる例がある。

日本版の「スカイキャッスル」も展開次第で視聴率が回復する可能性がある。テーマや人物設定が視聴者の共感を呼び、さらなるドロドロ展開が期待されている。

「六本木クラス」も吹き飛ばした「チープ」の声…視聴率急落の「スカイキャッスル」にV字回復シナリオ

 松下奈緒主演のテレビ朝日系連続ドラマ「スカイキャッスル」(木曜午後9時)の視聴率が急落している。7月25日放送の第1話は平均世帯8.5%、個人4.8%だったが、1日放送の第2話はそれぞれ5.3%、3.0%だった(ビデオリサーチ、関東地区)。一体、何が起こっているのか。

 原作の韓国ドラマ「SKYキャッスル~上流階級の妻たち~」は、最終回の視聴率が23.8%を記録するなど社会現象を巻き起こした大ヒット作。熾烈な受験戦争や医師の家庭事情を描いたブラックコメディーで、今回、テレ朝がリメイクした。だが、初回放送後、「チープ過ぎる」「予算少ないのがミエミエ」などの厳しい声が上がっていた。このような声は最初から予想できたという。

 韓国ドラマに詳しい放送ライターがこう話す。

「『スカイキャッスル』はセレブだけが住む高級住宅街という設定。韓国版ではゴージャスなリビングに高級家具、高価な装飾品がふんだんに登場しています。しかし、日本版に登場する一軒家の外観や内観は安っぽく、予算が少ないのが一目で分かります。

 高級住宅地であるはずの『スカイキャッスル』の中心にそびえるタワーのコンピュータグラフィックスが、雑過ぎるのも残念。日本のテレビドラマの制作費は1話1,000~3,000万円程度であるのに比べ、韓国のドラマでは1話1億円は下らないので、クオリティーに差が出るのは当然です」

 視聴率の急落は、目の肥えた視聴者からソッポを向かれていることを如実に表しているようだ。ただ、意外にも「スカイキャッスル」の視聴率がV字回復する可能性があるという。

「今回の『スカイキャッスル』には22年7月期のドラマ『六本木クラス』を手がけたスタッフが再結集しています。同作も当初は原作の韓国ドラマ『梨泰院クラス』と比較され、視聴者から『チープ』『スケール感がない』などの声が上がりました。

 世帯視聴率も初回の9.6%から第3話にかけて7.0%へと落ち込みましたが、中盤からは主演の竹内涼真とヒロインを演じた平手友梨奈の独特のケミストリーや、看板メニューが原作とは違うから揚げになったことが面白がられて、視聴率は9%台に回復。後半にかけては、10%超えも3回ありました。『スカイキャッスル』も第3話以降、展開次第で視聴率が回復する可能性は十分にあると思います」(前出の放送ライター)

 確かに、「スカイキャッスル」には教育や受験、夫婦仲、他人の暮らしぶりへの嫉妬心など、視聴者の心の底を揺さぶるテーマがこれでもかと盛り込まれていて、一定数の視聴者をひきつけておけるかもしれない。今回の「スカイキャッスル」リメイクについてテレビ朝日関係者がこう明かす。

「監督の1人は『六本木クラス』の他にも、同局の看板ドラマ『ドクターX~外科医・大門未知子~』シリーズを手がけるなど、医療がからむドラマには欠かせないスタッフです。原作と比べると、人物相関図が簡略化されていて、分かりやすい。また、木村文乃演じる小説家も原作とは異なり、かなりの詮索好きな人物として描かれていますし、入試コーディネーターが元受験生からナイフで切りつけられる場面は日本オリジナルです。今後、原作を超えるようなさらにドロドロの展開を投げ込んできそうです」(同)

 初回は好調だった日本版「スカイキャッスル」。巻き返しなるか――。

デイリー新潮編集部