民放キー局は3局で足りる! 企画のパクリ合い、昔の企画をゾンビ復活…番組を作る力なし(桧山珠美)

AI要約

今週久々に「ジョンソン」が放送され、10週間ぶりとなった。番組の打ち切りが報じられたが、パリ五輪のどさくさに紛れて放送された理由が気になる。

「ジョンソン」は「リンカーン」の後継番組としてスタートしたが、期待に応えられない内容でガッカリさせられた。特に最新の企画は批判を浴びる結果となった。

放送局の企画や番組内容に対する批判が続く中、視聴者の期待にそぐわない姿勢を示す放送局に疑問が投げかけられ、放送免許返納を提案する声も聞かれる。

民放キー局は3局で足りる! 企画のパクリ合い、昔の企画をゾンビ復活…番組を作る力なし(桧山珠美)

【桧山珠美 あれもこれも言わせて】

 今週久々に「ジョンソン」(TBS系)が放送された。なんと10週間ぶりだ。その間番組の打ち切りが報じられ、このままフェードアウトするのかと思ったらパリ五輪のどさくさに紛れて放送? せめて有終の美を飾らせてやろうということか、あるいは閉店間際の在庫一掃セールか?

 そもそもこの番組、伝説の「リンカーン」の後継番組として昨年10月に鳴り物入りでスタートしたもので、かまいたち・見取り図・ニューヨーク・モグライダーのレギュラー4組が手を替え品を替えさまざまな企画にチャレンジしていたが、正直、そそるものはなく、ガッカリしたものだ。

 この日の企画は「夏休み弾丸旅企画!ジョンソンインザワールド」と題し、8人が世界に散らばり、バズリ動画を撮影してSNSにアップ。1週間で合計1000万再生を目指すものだ。

 どう考えても公共の電波を使ってやるようなものではない。世界で大バズリしている動画と同じ動画という時点で1ミリも脳みそを使っていないことになる。二匹目のどじょう狙いは論外だ。終わるべくして終わる番組だということを再認識。こんなことなら、あのままフェードアウトしたほうがよかったのでは。

 TBSといえば、日本テレビで3月まで放送していた「それって!?実際どうなの課」を「それって実際どうなの会」とタイトルを若干変更し、出演者もスタイルもほぼ同じ番組を放送し、視聴者をザワつかせた。それほどバラエティーは企画不足で以前以上に似たような番組が頻出する。

 そういえば、先月28日放送の日本テレビ系「行列のできる相談所」でも、伊東四朗をゲストに迎え、「最新令和版快テックSP」をやっていたが、「ヨレヨレの襟を復活させる方法」とか、まんま「伊東家の食卓」で、ご丁寧に「伊東家の食卓 伝説の裏ワザプレイバック!」なるコーナーまで用意されていた。それならいっそ「伊東家の食卓」を再放送してくれたほうがよっぽど役に立つ。

「27時間テレビ」は昨年よりも視聴率が上がったとフジテレビは喜んでいるようだが、「クイズ」に「ゲーム」に「かくれんぼ」ってとても見られたものじゃなかった。

■放送免許を返納しては?

 そもそも番組企画も視聴者に委ねるなど視聴者に媚びまくり。少しばかり視聴率が上がったとしても、それがテレビ局の仕事と言えるだろうか。言い方は悪いが、放送枠を時間貸ししているようなものではないか。

 よその企画をいただいたり、昔の企画をゾンビのようによみがえらせたり、自分たちで新しい番組を作る能力がないのなら、いっそ放送免許を返納してはどうだろう。どこも同じなら正直言ってこんなに放送局はいらないと思う。5局あるキー局は3局くらいに統廃合しては。それが世の流れかもと思う。

(桧山珠美/コラムニスト)