「タダの嘘吐き」「謝れ」ひろゆきの“悪質デマ”に著名人も苦言…五輪女子ボクシング「性分化疾患」めぐり訂正も謝罪なし

AI要約

イマネ・ケリフ選手とアンジェラ・カリニ選手のボクシング対戦は、ケリフ選手の性別を巡る議論を引き起こしている。

性分化疾患を持つケリフ選手の過去の経歴やIOCの判断について世界中で議論が巻き起こっている。

ひろゆき氏と青木歌音の意見の対立から、性分化疾患に対する誤解や偏見が問題視されている。

 8月1日、パリ五輪・ボクシング女子66キロ級2回戦でおこなわれた、イマネ・ケリフ選手(アルジェリア)vsアンジェラ・カリニ選手(イタリア)の試合は、ケリフ選手の“性別”をめぐり世界中で物議を醸している。

「議論の対象となっているイマネ・ケリフ選手は、2023年の世界選手権では、男性の染色体である『XY染色体』を持つことから性別適格性検査に合格せず、同じく今回のパリ五輪に参加している台湾のリン・ユーチン選手とともに、国際ボクシング協会(IBA)から失格処分を受けていました。

 ところが、国際オリンピック委員会(IOC)は、『染色体だけで性別を決めることはできない』などとして両選手の女子ボクシング出場には問題がないと判断したことで物議を醸しているのです。

 たしかに、ケリフ選手の染色体はXYですが、性自認は女性で、これまで女性として育ってきたと報じられています。そして、染色体がXYであるのは、性分化疾患が原因だとされています。

 今回のパリ五輪では、ケリフ選手と対戦したアンジェラ・カリニ選手が試合開始46秒で棄権したことや、カリニ選手が涙を流したことから、試合の公平性をめぐって世界中で議論が起こっています。

 しかし、ケリフ選手は2021年東京オリンピックのボクシング女子競技にも参加しており、準々決勝でアイルランドの選手に敗退しています。東京五輪では出場自体が問題になることはなかったのに、今回、ここまで多くの人が意見を寄せている背景には、近年の世界的なLGBTQ+への意識の高まりもあると思われます」(週刊誌記者)

 各界の著名人もこの問題に様々な意見をあげているなか、自身のXで、ケリフ選手が「トランスジェンダーである」と決めつけたかのようなポストをして炎上したのが、実業家のひろゆき氏だ。

 ひろゆき氏は8月1日のポストで、

《元男性が、女子オリンピックボクシングに参加。元男性の余裕勝ち。金玉取った男性は、金玉取った男性です。女性ではないです。トランスジェンダーは、トランスジェンダーであって、女性ではない。女性の大会に元男性を参加させるのは、女性の機会を奪う》

と投稿。これに対して、先天性の染色体異常を公表している“元男の子ユーチューバー”の青木歌音が、Xでひろゆき氏を批判した。8月2日、Xを更新した青木は、

《ひろゆきさんにドン引きした、、平気でデマ流してるヤバい。これ冗談抜きで誤解された性分化疾患の人達が自殺するかもよ》

 と切り出すと、

《女子ボクシングでオリンピックに出てる性分化疾患の女性の事をトランスジェンダーだ!ってデマ流すの死ぬほどヤバい。 私も性分化疾患なんだけどデマに恐ろしく感じてる》

 とポストした。これを受けてか、ひろゆき氏は、

《ケリフ選手がトランスジェンダーというのは事実誤認です》

 とするユーザーのファクトチェックを引用しつつ、

《性染色体XYで女性器と睾丸を持つ男性が女子オリンピックに出場。女性選手に余裕勝ち。他の女性選手より競争上の優位があることでIBA女子世界ボクシング選手権失格になったのにオリンピックに出場。「女性の大会に“染色体XYで女性器と金玉がある男性“が参加するのは女性の機会を奪う」に訂正します》

 と、先のポストを訂正した。一方、青木は「性分化疾患」についてのユーザーからの声に応える形で、

《その選手(ケリフ選手)は女性として生まれたはずなのに染色体異常XYで男性ホルモンが多くなり男性化するケース。 私の場合は男で生まれたはずなのに染色体異常XXYで第二次性徴期ごろから声変わり起きず胸が膨らみ女性化が起きたケース。

男女の染色体

男→XY

女→XX

私→XXY》

 とポスト。この問題の複雑さを、当事者の立場からわかりやすく示した。ひろゆきの“訂正文”にはX上で多くの反響が集まっている。

《「訂正します」の前に、事実誤認で批判したことをまずは謝罪されたらいかがかと思います》

《結局デマひろゆき。訂正につぐ訂正必要でタダの嘘吐き》

《浅い知識で語るから恥をかく》

《これこそ女性軽視だわ。ひろゆき謝れ》

「これまでも、数多くのポストで一部の識者から誤りを指摘されてきたひろゆき氏ですが、訂正することは多くありません。しかし今回の『ケリフ選手がトランスジェンダーである』との主張はまさに“悪質なデマ”です。さすがにまずいと思い訂正したのでしょうね。こうしたデマがケリフ選手の耳に入らないことを祈るばかりです」(スポーツ紙記者)

 嘘を嘘と見抜けないと……。