HKT48山下エミリー卒業、3期全員で祝福！ なこみくも駆けつけた　「TRUSTRA」に所属して芸能活動継続

　HKT48チームKⅣの山下エミリーが21日、福岡市中央区地行浜の「HKT48劇場」で卒業公演に臨み、約11年間のアイドル人生に幕を下ろした。終盤には卒業生の矢吹奈子や田中美久らも駆けつけ、現在の劇場では初めて、3期生9人が勢ぞろい。青春時代をともに歩いた仲間とファンに祝福されながら、新たな未来への一歩を踏み出した。

　竹本くるみや大庭凜咲ら、後輩たちが早々に涙を見せる中、緊張の色を見せつつも笑顔を貫いた序盤。均整の取れたスタイルを存分に見せつけながら、しなやかで美しいパフォーマンスでファンを魅了した。劇場での最後の輝きを一目見ようと客席を埋めたファンも、全力の「エミリー」コールで公演を盛り上げた。

　中盤のユニットパートでは、曲中に衣装を脱ぐセクシーな「ジッパー」を、栗山梨奈、田中伊桜莉と披露。「こんな貴重な機会に競演するのが私で良いのか」と悩んだ栗山に対し「ずっと一緒に（このユニットで）頑張ってきたから」と返したという。グループでも指折りの人見知り、かつ不器用な性格ながら仲間に対する愛情は人一倍深い。彼女ならではの一面も垣間見せつつ、後輩たちと笑顔を交わして最後の舞台を楽しんだ。

　本編終了後の卒業パートでは、自ら決めたという純白のドレスで登場し「あなたがいてくれたから」をソロ歌唱。「大人になれたでしょうか？」。温かく見守り続けてくれたファンへの思いを歌声に込めた。

　続く「夕陽を見ているか？」では、同チームの坂本愛玲菜やチームHの栗原紗英、荒巻美咲、山内祐奈だけでなく、卒業生も次々に登場。芸能界の第一線で活躍する矢吹と田中、音楽ユニットで活動する外薗葉月、現在は母でもある筒井莉子…。懐かしい顔がステージに増えるたびに、客席からはどよめきと拍手が起こった。

　「余裕を持って楽しめたのは、ちょっと遅かった。もっとメンバーに甘えられたらよかった」と振り返った約11年。同期を中心に結成したチームTⅡのキャプテンを任せられたが、不器用かつ実直すぎるあまり、仲間と考えがすれ違ったり、衝突したりすることもあった。それでも関わり合うことをあきらめず少しずつ信頼を積み重ねると、チームやグループは彼女にとってかけがえのない居場所になっていた。愛するTⅡの解体など「つらいことが多かった」アイドル人生ではあったが、そこで手にした「つながり」は、これからの彼女をずっと支え続けるだろう。

　男手一つで育ててくれた父、離れた場所から支え続けてくれた母に感謝を伝えた後は、卒業生で4期生の松本日向や、元1期生の中西智代梨らも所属する事務所「TRUSTAR」に所属し、芸能活動を継続することも発表。「もっと近くで思い出を共有できる時間が増えると思うので、楽しみに待っていてほしい」と報告した。

　「応援してくれて本当にありがとうございました」 　感謝の思いを彼女なりの短い言葉に精いっぱいに込めて、仲間がつくるアーチを駆け抜けた。

#エンタメQ