江口のりこ、30代後半で来た反抗期 「嫌いじゃないのにイラッと」

AI要約

江口のりこさんは中学卒業後に上京し、自立して自分の好きなことを始められる喜びを感じた。家族と離れる寂しさもあったが、自分の時間と稼いだお金を全て自分のものとする自立感が大きかった。

東京に上京してみて、環境は変わっても自分の在り方が重要であると気づいた。逆に、反抗期は遅めの30代後半にやってきたが、一番腹が立ったのは母親に褒められることに対するイライラだった。

映画「お母さんが一緒」でも、子ども扱いされることに対する苛立ちや反抗心を表現している弥生役の江口は、自身の体験を通して共感を呼んでいる。

江口のりこ、30代後半で来た反抗期 「嫌いじゃないのにイラッと」

2002年に「金融破滅ニッポン 桃源郷の人々」で映画デビューし、04年に「月とチェリー」で映画初主演。以降、数々の出演作で独特の存在感を放ち、脇役から主役まで演じてきた江口のりこさん(44)。7月12日から公開の映画「お母さんが一緒」では、母の期待に応えようとしてきた独身の長女を演じています。そんな江口さんに、19歳で上京した時の思いや年齢を重ねることへの思いなどを伺いました。

――江口さんは中学を卒業後、進学をせずバイト生活を送り、19歳で上京されました。社会に出たいという気持ちや自立心はいつ頃から芽生えたのでしょうか。

江口: うちはきょうだいが5人いてお小遣いもなかったから、早く自分でお金を稼いで、自分の好きなものを買ったり、好きなところに行ったりしたいという思いは子どもの頃からありました。

実際に家を出て自立してみたら、最高でしたね。全部自分のものですから。自分で作った時間で自分のやるべきことをやって、自分で稼いだお金は私のもの。それは嬉しいことでしたよ。もちろん今までずっと一緒に過ごしてきた家族と離れる寂しさはありましたけど、ようやく自分の好きなことが始められる嬉しさや喜びが1番でした。

――実際に東京に出てきてみていかがでしたか。

江口: 上京するまでは「東京ってどんなところだろう」ってすごくドキドキしていたんです。でも、いざ東京に来てみたら「どこにいても同じだな」と思ったんですよ。自分自身があまり変わらなかったから「どこにいても一緒」。結局は、自分がそこで何をするかが大事なんですよね。

――映画「お母さんが一緒」では、「母親みたいな人生を送りたくない」という思いが三姉妹に共通していることでした。江口さんには反抗期はなかったのですか。

江口: 私は反抗期が来たのが30代後半頃と遅かったんですよ。理由は分からないけど反抗したくなったり、イライラしたりして。一番イラっとしたのが、以前タケノコを1本買ってタケノコご飯を作ったという話を母にしたら、「えらいねぇ」って言われたことにすごく腹が立ったんです。

めちゃくちゃしょうもないことなんですけど、「もう大人なのに、タケノコご飯を作っただけでこんなに褒められるってなんか嫌やな」と思ったんです。私が演じた弥生も作中で三女の清美のことをいつまでも子ども扱いしていますが、そういう風に子ども扱いされるのがすごく嫌でした。その話を友達にしたら、「分かる」って言っていたので、きっとみんな持っている感情なんですかね。私なんでこんなことでイラッとしてるんだ、って自分で自分のことを嫌だと思うんです。母に悪気がないのは分かっているし、嫌いなわけじゃないのに、不思議ですよね。