4歳で子役デビュー、話題作出演続く22歳俳優が“怪作”主演で新境地「演技の幅を広げさせてもらった」

AI要約

俳優・細田佳央太(22)がディズニープラス「スター」にてドラマシリーズ化される『七夕の国』(7月4日より独占配信中)の主演を務めている。

原作は岩明均氏の同名コミックで、特別な力を持つ平凡な大学生が壮大な陰謀に巻き込まれるストーリー。

役者としての成長と作品への深い思いが語られている。

主演の細田佳央太が撮影の経験やキャストとの交流について語っており、作品への取り組み方にも触れている。

静岡での撮影やCGの使用に関するエピソードも紹介されている。

細田佳央太の経歴や今後の活動について概説し、『七夕の国』が主演の中でも特別な作品であることが強調されている。

4歳で子役デビュー、話題作出演続く22歳俳優が“怪作”主演で新境地「演技の幅を広げさせてもらった」

 俳優・細田佳央太(22)がディズニープラス「スター」にてドラマシリーズ化される『七夕の国』(7月4日より独占配信中)の主演を務めている。「寄生獣」の岩明均さんの同名コミックを原作に、役に立たない“特別な力”を持った平凡な大学生が壮大な陰謀に巻き込まれるというストーリーだ。(取材・文=平辻哲也)

『七夕の国』は1996年から99年にかけて小学館「週刊ビッグコミックスピリッツ」で不定期連載され、そのスケールと刺激的な表現から「映像化困難」と言われ続けた“怪作”。“あらゆる物に小さな穴を空ける”という何の役にも立たない超能力を持つ平凡な大学生 南丸洋二(通称ナン丸)がある地方で発生した殺人事件に巻き込まれ、やがては自分の力の意味を知っていく……。

 細田は4歳の時から子役として活躍し、映画『町田くんの世界』(19)では1000人超えのオーディションから主演に抜てきされ、最近では『ドラゴン桜』(21)、『どうする家康』(23)など話題作出演が続いている若手の注目株だ。

「マネジャーさんから本を読ませていただいて、判断を僕に委ねてくださったのですが、自分から『やらせてください』と言いました。配信ドラマの需要が増えている中でやらせてもらえるのはすごく大きかったですし、時間もお金もかけられるのが強みで、のびのびとお芝居や撮影、作品に集中できるという環境はすごくありがたかったです」

 ナン丸はちょっとした超能力を持っている以外は平凡な大学生。自身との共通点はあったのか。

「原作が30年近く前の設定なので、現代の大学生とは全然違うなとすごく感じました。ナン丸は就職や自分の将来に対して、すごく楽観的な考え方を持っていますが、今の大学生は不安の方が強いんじゃないかなと感じます。僕自身、先が見えないことに対してネガティブに捉えがちな人間なので、ナン丸の性格はちょっとうらやましいと思っていました」

 撮影は昨年3月から7月まで、主に静岡・藤枝で行った。

「全10話なので、TVの連続ドラマと同じくらいのボリュームですが、時間をかけて撮れることはいいなと思いました。劇中ではCGも使われていて、ナン丸が生み出す球体がどんなサイズか、どんな光かなど分からないところもあったので、難しくもあり、楽しくもありました」

 スタッフ、キャストとの一緒の時間も多かったそうで、長期ロケならでは、の楽しみもあった。

「静岡にはご縁があって、これまでも何度も行かせてもらったので、安心感もありました。役者さんや監督、スタッフさんと一緒に食事をする機会もありました。僕は人見知りなところもあるのですが、(同級生役の)濱田龍臣君たちとは同世代ですし、他愛のない話をしましたし、先生役の木竜麻生さんはちょっと年上なんですけど、他愛のない話もしました。先生役の木竜麻生さんはすごく物腰が柔らかく、ノリがいい方だったので、とても助けられました」

 メイン監督は「大豆田とわ子と三人の元夫」や『クレイジークルーズ』でメガホンを取った瀧悠輔氏が務めた。

「現場では監督ファーストと考えていて、監督が OKを出したものには何も言わないと決めているのですが、複数の監督が担当されていたということもあったので、『今の演技は大丈夫ですか?』と聞いたりもしました。22歳 の若い男が作品の真ん中を張って、前のめりすぎることはどう見えるのか気にしました。それがよく見えることもあるかもしれませんが、生意気とも見えるかもしれない。現場には干渉しすぎない程度にしながらも、主演として、どこまでできるかなとすごく考えました」

 主演は映画『町田くんの世界』(19)、『ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい』(23)、ドラマ『もしも、イケメンだけの高校があったら』(22)などで経験済みだが、本作は自身の中でも大切な作品になった。

「僕は、『塵も積もれば山となる』という言葉を大事にしているんですが、様々な経験を積み重ねて、この作品ができました、という思いがあります。『七夕の国』の撮影をしている中で、演技の幅を広げてもらったので作品を通して僕がどれだけ成長できたのか、その証明になっていれば、と思います」

 CGが合成された完成品を見た時は安心感もあったという。「撮影前にもデモ映像を見せてもらったのですが、完成した映像も乖離がなかったので、よかったなと思いました。CGを作ってくださった方々も、目の動きなどを調整しながらスピード感を出すなどたくさん挑戦していただいたので、見どころになっていると思います」と自信を見せた。

■細田佳央太(ほそだ・かなた)2001年12月12日生まれ、東京都出身。1000人超の応募者の中から抜擢され『町田くんの世界』(19/石井裕也監督)で映画初主演。以降、『花束みたいな恋をした』(21/土井裕泰監督)、『子供はわかってあげない』(21/沖田修一監督)、『女子高生に殺されたい』(22/城定秀夫監督)、『線は、僕を描く』(22/小泉徳宏監督)、TBS『ドラゴン桜』、日本テレビ『恋です!~ヤンキー君と白杖ガール~』、テレビ朝日『もしも、イケメンだけの高校があったら』、日本テレビ ZIP!朝ドラマ『クレッシェンドで進め』など映画・ドラマを中心に幅広く活躍。2023年はNHK「どうする家康」で大河ドラマ初出演を果たすほか、連続ドラマW-30『ドロップ』で主演、夏には舞台『メルセデス・アイス』にて主人公を務めた。2024年は、カンテレ・フジテレビ系『あの子の子ども』に出演中。

『七夕の国』

ディズニープラス「スター」で独占配信中

(C)2024 岩明均/小学館/東映

岩明均「七夕の国」(小学館刊)