『オウガバトル64』25周年。“オウガバトルサーガ”3作目は初心者でも遊びやすく調整された作品に。エレファントカシマシの宮本浩次が出演するテレビCMもかっこよかった【今日は何の日?】

AI要約

『オウガバトル64』は『伝説のオウガバトル』、『タクティクスオウガ』に続くシリーズ第3作であり、リアルタイムストラテジーとイベントシーンを組み合わせた魅力的なゲームである。

ストーリーは革命に身を投じる主人公マグナスを中心に展開し、選択によってストーリーが分岐し、個々のプレイヤーによって異なる体験ができる。

ゲームの難度はやさしくなったものの、新たなシステムやクラスの追加により、戦略性ややりごたえはしっかりと残されている。

『オウガバトル64』25周年。“オウガバトルサーガ”3作目は初心者でも遊びやすく調整された作品に。エレファントカシマシの宮本浩次が出演するテレビCMもかっこよかった【今日は何の日?】

『伝説のオウガバトル』のシステムを基本に作られたシリーズ第3作

 1999年(平成11年)7月14日は、ニンテンドウ64用ソフト『オウガバトル64 ~Person of Loadly Caliber~』(以下、『オウガバトル64』)が発売された日。本日で発売から25周年の節目を迎えました。

 『オウガバトル64』は『伝説のオウガバトル』、『タクティクスオウガ』に続く"オウガバトルサーガ"の3作目。シリーズの生みの親である松野泰己氏がスクウェアに移籍後に発売された作品なので、制作はクエストのスタッフによって行われました。

 本作で印象深いのは、当時のテレビCM。「信じるか、裏切るか」、「命令か、意思か」、「戦いか、和平か」とバーで悩む客に対して、マスターが「戦わないのも勇気です」とポソリとつぶやく、渋い内容。このバーの客を演じていたのが、じつはエレファントカシマシの宮本浩次さんでした。まさかのミヤジ! 筆者は後年になって客を演じていたのが宮本さんだったと知ったのですが、当時、ご本人だと気付いた人もいるのでしょうね。

 ゲーム内容は第1作の『伝説のオウガバトル』と同じリアルタイムストラテジーでありつつ、第2作『タクティクスオウガ』の内容も織り交ぜたものに。バトルの前後にイベントシーンが挿入され、重要な選択を迫られたり、その結果で思いもよらない事態が発生したりする、このシリーズならではの魅力はしっかり踏襲されています。

 士官学校新卒生である主人公のマグナスが階級制の社会や大国の支配に疑問を持ち、革命に身を投じていく……というストーリーもワクワクするものでした。マグナスのライバルであるディオメデスや父親のアンキセスが物語の選択によって敵にも味方にもなるところが自分だけのストーリーを紡いでいるようで没入感がありましたね。

 ヒロインのレイア絡みのエピソードなど悲劇的な展開が多いことも個人的には好みで、25年経ったいまでも本作のストーリーが深く心に残っています。

 ゲームの難度は全体的に『伝説のオウガバトル』よりもやさしくなっているものの、多彩なシステムが導入されており、戦略性のあるバトルが楽しめます。仲間の陣形が『伝説のオウガバトル』では前列と後列だけだったことに対し、『オウガバトル64』は前列、中列、後列に拡張。さらに複数のチームを一括指示できる“レギオンシステム”が追加されました。とくにレギオンシステムの追加は大きく、このシステムのおかげで移動や指示が簡単になりましたし、仲間が支援をしてくれるといった恩恵もあるので、戦闘が楽しくなりました。

 また、『伝説のオウガバトル』との大きな変更点としては基本クラスのファイターやアマゾネスの前段階であるソルジャーが追加されたこと。雇用したユニットは、このソルジャーで加入しますが、めちゃくちゃ弱いのでどうやって生き残るように立ち回るのか考える必要がありました。

 クラスチェンジの仕様も『伝説のオウガバトル』とは異なり、レベルとパラメータ以外にもクラスに合致した装備アイテムも必要に。装備品の残量にも気を遣う必要がありましたが、ゲームとしてのやり応えはありましたね。

 本作はWiiと Wii Uのバーチャルコンソールで配信されていましたが、現在は新規のダウンロードはできないので、実機で遊ぶ必要があります。世代の違いから本作を遊んだことがないという人も多いと思うので、『伝説のオウガバトル』とともにリマスターかリメイクされて発売されてくれたらうれしいです!