宝塚歌劇「トップオブトップ」轟悠さん、次の舞台はアート「縛られることなく自由に」…高島屋で個展

AI要約

宝塚歌劇団で長く主演を務めた轟悠さんが、退団後にポーリングアートに挑戦していることを明かした。

ポーリングアートの魅力や始めたきっかけ、作品に込められた思いなどについて語っている。

轟悠さんの作品は、ナポレオンをテーマにした舞台からインスピレーションを得ており、トリコロールカラーが印象的である。

 宝塚歌劇団で長く主演を務めて「トップオブトップ」と呼ばれた轟悠さん。2021年に退団した後、3年にわたり沈黙を保っていましたが、7月15日まで東京・日本橋高島屋の美術画廊で個展「轟悠(藏人(クロード))展―とき放つ トリコロールに愛のすがた―」を開いています。退団後初のインタビューに答えてくれた轟さんは、白いレースのロングスカートが似合う柔らかな雰囲気の女性でした。

 ――退団後はどう過ごされてきたんですか。

轟「ポーリングアート」の勉強をしていました。まだ宝塚でいうと下級生の段階で、舞台と同じように意欲的に挑戦して失敗ばかりしています。

 ――ポーリングアートとは、アクリル絵の具をキャンバスにポーリング(流し込み)して偶発的に出来る模様を楽しむアート。始めたきっかけは。

轟 宝塚歌劇団の作曲家、吉田優子先生がCDを出されるというのでジャケットのデザイン原画を頼まれました。その際、アクリル絵の具を使ってみたんです。今まで幼少時から水彩画、10歳から油絵を習ってきましたが、アクリル絵の具の面白さ、美しさにひかれました。宝塚を受けたときもそうですけど、やっぱり美しさへの憧れがある。ですので、これまで風景画の個展をやらせていただいていたのですが、ガラッと気分を変えて抽象画の個展をやらせていただくことにしました。一つ一つ段階を経てもっと違うことにもチャレンジしていきたいと思っています。

 ――ポーリングアートの魅力とは。

轟 混ぜる液剤の種類によって浮かび上がる模様が変わってきますし、まだまだ未知数な部分があるのが面白いです。調合する分量もちょっとしたさじ加減で変化するので、どう出るのかという、制作している最中のワクワク感っていうのがありますね。油彩画と違ってアクリルは乾きがとても早いのでバタバタしています。

 ――「ナポレオンの炎」「愛」はトリコロールカラーがフランスっぽいですね。

轟 ナポレオンの生涯を描いた初舞台の「愛あれば命は永遠に」からインスピレーションをもらいました。金箔を貼って遊んでみた部分は戴冠式でナポレオンがつけた冠をイメージしています。初舞台の私たちのロケット(ラインダンス)がトリコロールのお衣装でした。