ボケ始める年齢になって芸風広げて、ボケを入れながら司会するアグネス・チャンに元気をもらった

AI要約

アグネス・チャンがユニセフ気候変動フォーラムの司会を務め、キリバスの現状を報告した。

アグネスは子供たちへの正しい知識提供を訴え、柔軟な姿勢を見せる。

記者はアグネスのユーモアと元気を称賛し、新たな芸風を広げる姿に感心する。

<ニッカンスポーツ・コム/芸能番記者コラム>

 歌手アグネス・チャン(68)を取材した。23年8月20日の68歳の誕生日に著書「心に響いた人生50の言葉」の出版記念イベント以来、8カ月ぶりの対面だ。

 今年2月には、史上最多高校通算140本塁打の佐々木麟太郎内野手が花巻東(岩手)からスタンフォード大に進学することが発表された時に、電話で話を聞いた。アグネスは、息子3人が米スタンフォード大卒。自身もスタンフォード大大学院で博士号を取得している。30年以上前から生真面目さは変わらない。

 ユニセフのアジア親善大使を務めているアグネスは、20日に東京・高輪のユニセフハウスでユニセフ気候変動フォーラム「気候変動は子供たちの危機」のパネルディスカッションの司会を務めた。5月30日から6月3日にかけて訪れた、太平洋中部にある33の環礁と島からなるキリバスの現状を報告。キリバスは、地球温暖化により2050年までに水没の危機を迎えている。

 アグネスは「地球温暖化が、確実に子供たちに影響を与えている。キリバスのタワラ島は一番狭いところは幅25メートル、標高は3メートルしかない。キリバスが海に沈んでいいのでしょうか。今日はキリバスの問題でも、明日は私たちの問題」と話した。

 そしてNHK Eテレ「あおきいろ」SDGsユニットのミドリーズりりあな、あやと、べに、ユニセフのキティ・ファン・デル・ハイデン事務局次長、蟹江憲史慶大大学院教授、リクシル小林智常務らとのトークセッションを進行した。

 そして「全ての子供たちに『正しい知識を』。今後は、この問題をいろいろなところで話していきたい。政治の力、経済の力を一般の人の声で動かして、変えていけたら」と訴えた。

 相変わらず、かわいいアグネスに安心した。だが、何よりもビックリしたのはディスカッションの司会を務めながら、ボケを連発して笑いを取っていたことだ。若い頃から生真面目で、女性の問題、環境の問題に提言してきたが、年齢を重ねて柔軟さが加わった。

 柔軟すぎることでは引けはとらない自信はあるのだが、記者は還暦をすぎて物忘れ&言葉が出なくなってきた。早い人ならボケ始める年齢になって、新たにボケを加えて芸風を広げるアグネスに久しぶりに会って元気をもらえた。【小谷野俊哉】