藤山直美、父の当たり役に挑む 新橋演舞場「七夕喜劇まつり」 市村萬次郎も主演

AI要約

東京・新橋演舞場で開幕する「七夕喜劇まつり」について、藤山直美と市村萬次郎が主演することや演目の内容が紹介されている。

直美が父親の代表作を演じる「はなのお六」と、市村が女将を演じる「唐木の看板」のストーリーやキャストの意気込みが伝えられている。

当時は夏に松竹新喜劇が上演され、新橋演舞場で親しまれていたエピソードも紹介されている。

藤山直美、父の当たり役に挑む 新橋演舞場「七夕喜劇まつり」 市村萬次郎も主演

東京・新橋演舞場で5日に開幕する「七夕喜劇まつり」で上演される人情喜劇「はなのお六」(一堺漁人作)と「唐木の看板」(和老亭当郎作)で、藤山直美(65)と歌舞伎俳優の市村萬次郎(74)がそれぞれ主演する。

「はなのお六」はもともと、直美の父親で上方喜劇を代表する喜劇役者、藤山寛美(1929~90年)の当たり役の一つ「はなの六兵衛」の六兵衛を、女性のお六にした物語だ。

出世を夢見て大和から江戸へやってきた田舎娘、お六が自慢の嗅覚で藩主の窮地を救うストーリー。歌舞伎的な演出も見どころで、萬次郎も藩主役で登場する。

主人公のお六は10代半ばという設定。直美は「50歳さばを読んで演じる」と笑いながら、「出世して、弟や妹においしいものを食べさせたい、親を楽させたいという純真な気持ちが世間に勝つというところがみどころ。すてきな人やなと思う」と語った。

「唐木の看板」で江戸の商家「越後屋」の女将、お浪を演じる市村は、直美の舞台に出演するのが今回で3回目。「前2回とも非常に楽しかったので、今回も楽しみにしている。こちらは一生懸命まじめに演じるが、お客さまにはにこやかに笑顔で見ていただけるよう、皆さんと協力して務めたい。暑い中、笑いでその熱気を飛ばしていただければ」と意気込んだ。

寛美が活躍していた当時、新橋演舞場では夏に松竹新喜劇が上演されるのが恒例で、「七夕劇団」と呼ばれて親しまれていた。チケットの前売りのときには、行列ができるほどの人気だったという。

28日まで。問い合わせは、チケットホン松竹(0570・000・489)。(水沼啓子)