【アナログで聴きたい名盤】ポップス史上最高のベースライン! グレン・キャンベルの傑作

AI要約

グレン・キャンベルの代表曲である「ウィチタ・ラインマン」の魅力について紹介。キャロル・ケイの名演奏や、ウェッブの感動的な歌詞など、この曲の特徴を解説。

素晴らしいイントロのベースラインや、アナログ盤での生々しい音質がこの曲をより魅力的に演出している。

ウェッブの歌詞が描く孤独な架線工事者の姿や、恋人への思いが聴き手の心に響く。キャンベルの持つ表現力が素晴らしい。

【アナログで聴きたい名盤】ポップス史上最高のベースライン! グレン・キャンベルの傑作

【グレン・キャンベル/ウィチタ・ラインマン(1968年)】

 米国を代表するカントリーシンガー、グレン・キャンベルの傑作。タイトル曲はキャリア上でも屈指の名曲とされる。作曲は名ソングライター、ジミー・ウェッブ、演奏はキャンベルもギタリストとして在籍していた音楽史でも重要な位置を占める腕利きのセッション・ミュージシャン集団レッキング・クルー。当時の黄金ラインアップにより、不朽の名曲が誕生した。

 とにかく名ベーシストのキャロル・ケイが即興で弾いたイントロのベースラインが素晴らしく、起伏に富んだ主旋律とともにこの曲のすべてと言ってもいい。アナログでは音がより生音に近く、張り詰めた弦の躍動感がじかに伝わってくる。わずか5音。しかしこの曲だけでもアナログ盤で聴いてほしい。

 ウェッブの歌詞のイメージも素晴らしい。オクラホマの延々と続く荒涼とした平地を車で移動しながら、電話の架線工事者が孤独な作業を続け、恋人に思いをはせるという内容だが、聴く側のイメージを喚起させる。67年にも同様の手法で、恋人を置いてアリゾナ州フェニックスに旅立つ男の心境を歌った「恋はフェニックス」を大ヒットさせているが「ウィチタ――」の素晴らしさはそれを上回る。

 キャンベルは2017年に亡くなったが、19年に出た56年間のキャリアを網羅した4枚組CDボックスも好盤だ。