長編デビュー作で映画祭19冠『HOW TO HAVE SEX』モリー・マニング・ウォーカー監督に迫る

AI要約

昨年の第76回カンヌ国際映画祭でグランプリを受賞した映画『HOW TO HAVE SEX』について、監督のウォーカーが撮影方法や作品の構造について語る。

ウォーカー監督は初の長編作品で注目を集め、次回作品も話題になっている。

『HOW TO HAVE SEX』はティーンの友情や恋愛、セックスをテーマにした物語であり、ファンタジーとリアルな要素が組み合わさった作品だ。

長編デビュー作で映画祭19冠『HOW TO HAVE SEX』モリー・マニング・ウォーカー監督に迫る

昨年の第76回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門でグランプリを受賞した映画『HOW TO HAVE SEX』。ティーンの友情や恋愛、セックスが絡み合う青春の夏休みを、思いやりを込めた視点で活き活きと表現した物語で、注目の英国監督モリー・マニング・ウォーカーがこだわりの撮影方法を明かした。

モリー・マニング・ウォーカー監督は、初の短編監督作『アンスピーカブル』がカンヌ国際映画祭批評家週間で上映されたことをきっかけに、本作『HOW TO HAVE SEX』の脚本執筆を開始、長編デビューを飾るとカンヌ国際映画祭「ある視点」部門グランプリを受賞。世界の映画祭で<19受賞・30ノミネート>の快挙を果たしている。

さらに次回作は、ブラッド・ピットらが設立し、アカデミー賞作品賞を受賞した『ディパーテッド』『それでも夜は明ける』『ムーンライト』含むヒット作を多数送り出している映画製作会社プランBが権利を獲得したと今年5月「DEADLINE」が報じたばかりだ。

今後の活躍がますます期待されるウォーカー監督。元々は撮影監督として大物アーティストのミュージックビデオや、ドキュメンタリー、フィクション、広告など、様々な映像作品に携わっており、長編撮影監督デビューを果たした『SCRAPPER/スクラッパー』(23/監督:シャーロット・リーガン)が7月5日(金)より日本でも公開となる。

これまでの撮影監督としての手腕を活かしたこだわりは、『HOW TO HAVE SEX』でも随所に感じられる。

ティーンエイジャーの浮き沈みを捉えることを目指した本作の構造についてウォーカー監督は「衣装・美術・音響・音楽など、あらゆる面において本作のデザインは2つに分かれている」と語り、「前半は楽しいバケーションを描き、そして後半は闇が深いハチャメチャなバケーションを表現している。それは例えば前半がディズニーランドのように楽しくてクリーン、後半はそれがどんどんゴミだらけのような場所に落ちていくようなイメージ」と解説。

「多くのシチュエーションで、同じ場所で2回撮影を行い、例えば暗い通路のシーンでは1回目に撮影した時は片付いていても、2回目はゴミだらけというように撮影した」と、その特殊な撮影過程を明かした。

性的同意についての問題を描き出す一方で、同時に傷からの回復やティーンの青春、パーティの楽しさも描かれている本作。「パーティは私が活き活きとしていられる場を与えてくれたし、新しい友人や慰めももたらしてくれた。そういった空間から得た喜びも忘れてはいけないと思う」とウォーカー監督。

さらに「実はパーティのシーンをスクリーンで再現するのは難しい。リアルに感じてもらうためにはニュアンスが大事になってくるので、ロケハンもしっかりした」と、パーティシーンを表現することの難しさについてコメント、具体的には「たまたま行ったクラブに裸の女性がプリントされているトランプがあって、それを劇中で小物として取り入れた。実は劇中ではどのシーンにも裸の女性が登場していて、ライターやトランプ、タオルなどにプリントされている」と本作のリアルな世界観がどのように構築されたかが感じられるエピソードを披露している。

そしてこの度、2022年9月からギリシャ・クレタ島マリアで行われた撮影のメイキング写真が解禁。

「誰もが大切にされていると実感できる」環境作りを第一に考え、みんなで作り上げることを大事にしたと語るウォーカー監督と、キャスト陣がディスカッションを重ねる様子が写し出されている。

『HOW TO HAVE SEX』は7月19日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷、シネ・リーブル池袋、シネマート新宿、アップリンク吉祥寺ほか全国にて公開。