池上季実子、激動の芸能生活50年 親の離婚騒動、自身の離婚…「好きなことをやってここにいる」

AI要約

池上季実子が新型コロナウイルス感染を経て人生観が変化し、芝居への熱意が再燃したことを明かす。

入院中に病室で芝居を見て気持ちが元気になった経験や、口数が増えたことを語る。

14歳で芸能界デビューし、50年の芸能活動を経て、過去の家庭事情や芝居への情熱を振り返る。

池上季実子、激動の芸能生活50年 親の離婚騒動、自身の離婚…「好きなことをやってここにいる」

 松下奈緒の主演映画『風の奏(かなで)の君へ』(6月7日公開、大谷健太郎監督)で初のおばあちゃん役を演じた俳優の池上季実子(65)は今年、芸能活動50年を迎えた。撮影直前の2年前に新型コロナウイルスに感染し、死を覚悟する経験を経て、人生観も変化したという。(取材・文=平辻哲也)

 池上は2022年2月にコロナに感染し、酸素飽和度80%となって、救急車で搬送され緊急入院。病院では直ちにICUに入り、医師からは「今日が峠です」との宣告を受けた。その時に真っ先に思ったのは「もうちょっと芝居がしたかった」との思いだった。

「弟と子どもに電話しようとも思わなかった。前から芝居は好きで、一生懸命もやっていたし、どちらかというと、好き嫌いがはっきりしている方でしたけど、それに輪をかけたかもしれないですね」と笑う。

 入院中の2か月は医師、看護婦、先生、掃除の年配女性だけが話し相手。そんな中、病室でテレビを流しっぱなしにしていた。

「ドラマもやっているし、ニュースも流れてくる。でも、自分はずっとここにいるんだよなぁと思うと、芝居をやりたい気持ちが決壊したダムのように一気に流れ出してきたんです。急に気持ちが元気になったっていうか、コロナがいい薬になったというか……」

 もう一つ気持ちの中で大きく変化したことがある。

「以前は、プライベートで口数が多くても、取材では聞かれたことしか話さなかったんです。今はしゃべっておかないと、いつ死ぬか分からないという実感があります。小さな子どものように、『もっと私のことを聞いて』『私を見て』みたいな感覚が強くなったかもしれない」

 池上は米ニューヨーク生まれ、京都育ち。小学校を卒業後、両親の別居に伴い、母、弟とともに東京に引っ越し。14歳の時にスカウトされ、1974年に芸能界デビュー。今年、芸能活動は50年を迎えた。

「私は14歳で仕事を始めたんですけど、親の関係がガタガタしていたんです。弟が大学卒業するまで離婚しなかったですけど、ずっと悩まされてきました。けんかの原因は、お金だったので、自分の力で食べていかないという気持ちが強かったんです。たまたま、スカウトされて、やってみたら面白くて、『これだ!』みたいな感じやっていたんです。かっこいい言い方すると、芝居に恋しちゃった感じ。10代の頃は夢中で走り続けてきた感じでした」と振り返る。