杏、日本とパリの二拠点生活での気づき「人に甘えるのがうまくなった」

AI要約

杏(38)はフランスのパリと東京の二拠点生活を送り、俳優活動を行っている。彼女が渡仏する直前に撮影した映画『かくしごと』が公開される。物語は、認知症を患った父親と虐待されている少年との出会いを通じて生まれる不思議な3人の暮らしを描いている。

物語の中で、杏が演じるのは絵本作家の千紗子で、父親とは絶縁していたが、父の認知症が進行したため故郷に戻ることになる。千紗子は虐待の疑いのある少年と出会い、法に反する行為を犯しながらも彼を救おうとする姿が描かれる。

杏は子どもに対する思いが変化してきたと語り、年を重ねると涙もろくなると感じている。母親役をあまり演じてこなかった彼女が、本作を通じて深い感情を抱くシーンが多かったという。

杏、日本とパリの二拠点生活での気づき「人に甘えるのがうまくなった」

 フランスのパリと東京の二拠点生活を送り、俳優活動を行う杏(38)。彼女が渡仏する直前に撮影した映画『かくしごと』が公開を迎える。認知症を患った父親、そして虐待されている少年との出会いによって生まれる不思議な3人の暮らし……。さまざまなテーマが内在している本作に挑んだ杏が、作品から得たことを語った。

■年を重ね、涙もろくなってきた

 原作は北國浩二の小説『嘘』。杏が演じるのは、絵本作家の千紗子だ。奥田瑛二演じる父・孝蔵とは長年絶縁になっていたが、認知症を発症したため故郷に戻ることになる。自分のことを理解しない父親との暮らしに辟易とする中、虐待の疑いのある記憶を失った少年と出会い、自分の子どもとして奇妙な3人暮らしが始まる。

 当然のことながら、子どもには実際の両親がおり、千紗子がやっていることは、法に反する行為だ。杏は「社会のルールや法律という観点から言えば間違っているのですが、千紗子はそんなことを軽々と飛び越えてしまう」とキャラクターの持つ特性を述べると「少年を救いたいという思いは間違いではない」と正論だけで判断することが難しい人物だという。

 数々のキャリアを重ねている杏だが、これまで意識してあまり母親役を演じてこなかったという。「今回も厳密に言うと母子の物語ではないんですよね。台本を読んで、どちらかというとミステリー要素の強い作品だなと感じたんです。虐待されている子どもについても、母親目線というよりは、目の前で傷ついている子を救いたいという思いの方が強かったと思います」。

 そうは言っても杏自身も、子どもという守るべき存在に対する思いは変わってきたと感じているという。

 「年を重ねると涙もろくなるみたいな(笑)。自分勝手な主観かもしれませんが、若いころは想像できなかったところへの思いが広がっているというか。動かされる感情の幅も広がった気がします。この映画でも、大きく気持ちが動いたシーンが多かったです」。