バンクシーを筆頭に世界中で活躍…社会課題の解決の一翼を担う期待の存在“アーティビスト”とは?

AI要約

イスラエルとイスラム組織「ハマス」との戦闘が続く中、アーティビストがアートを使って社会問題の解決を訴える活動が注目されている。

アーティビズムとは、アートを活用して反戦や気候変動、人種差別などの社会問題に取り組む活動で、バンクシーなどが代表的な存在として挙げられる。

黒部睦さんの活動やアーティビズムの魅力について紹介し、メディアを通じて社会問題への関心を喚起する力も強調されている。

バンクシーを筆頭に世界中で活躍…社会課題の解決の一翼を担う期待の存在“アーティビスト”とは?

TOKYO MX(地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG(モニフラ)」(毎週月~金曜6:59~)。「New global」のコーナーでは、社会問題の解決をアートで訴える“アーティビズム”について取り上げました。

◆アートで社会問題解決を訴えるアーティビズム

イスラエルとイスラム組織「ハマス」との戦闘が始まって半年以上が経過。現地では多くの一般人が亡くなり、ガザ地区では壊滅的な食糧不足や深刻な人道危機が続くなか、世界各地では抗議活動が広がっています。そして、そこで今、注目を集めているのがアートを使って社会問題の解決を訴える“アーティビズム”です。

アーティビズムとは、反戦や気候変動、人種差別などの社会問題を、アートを使って働きかける活動のことで、それを行う人のことを“アーティビスト”と言い、最も有名かつ注目されている人物としてはバンクシーがいます。

当番組にコメンテーターとして出演している黒部睦さんは、現在「アーティビスト」として活動中。最近の活動について聞いてみると「3月31日の『ガザも地球も泣かないで』というアクションでは歌を歌う機会があって、(歌っていたら)上の歩道にたくさん人が見てくださっていた。コールやスピーチでは振り向かなかった人も(歌を歌っていると)振り向いてくれた」と自身の活動の成果を振り返ります。

キャスターの堀潤は、過去に香港の若者を取材した際、彼らが大きな権力に立ち向かうときには多くの人が歌で連帯していたそうで、「今でもその歌は忘れられない。アートは強い結びつきを生むと実感した」と語ります。

◆メディアを惹きつけるのもアーティビズムの魅力

黒部さんのアーティビズムとの出会いは、2022年にエジプトで開催された「国連気候変動枠組条約第27回締約国会議(COP27)」。「驚いたのは『COP』でやっている市民アクションはどれも華やかで、すごく盛り上がっていた。気候変動の被害なども訴えるのでシリアスなときもあるが、すごくパワーがあった」と振り返ります。

そして、そこで特に印象的だったのは、石油パイプラインの開発計画に抗議するアート作品で、「結構大きくてインパクトがあるので、たくさんのメディアで紹介されていた」と黒部さん。また、会場には全身を青で固めた人たちの姿もあり、それは発展途上国が先進国に対し基金を募る取り組みで、「私も青を着て行ったが、自分をかわいくしたいというより、メディアに取り上げてほしい、一体感を作るためにアーティビストが活躍していた」と解説します。

堀は「今は権威主義が台頭し、ミャンマー、スーダン、香港などでも名前と顔を晒してアクションするとあっという間に弾圧される。その圧力は強まっている」と案じつつ、「だからこそ黒部さんは、顔や名前を出せずにいろいろな現場で声を上げている芸術家・アーティストを代表して思いを伝えたいと言っていて、仲介的なアーティビストの役割があるというのは非常に目から鱗だった」と黒部さんの活動に感心します。

「NO YOUTH NO JAPAN」代表理事の能條桃子さんは「私は5年前にデンマークに留学し、そこで初めてデモに参加し、帰国後も自分が賛同するものは行くようになった。ただ、デモのなかでも楽しくて友達を誘いたくなるものから恥ずかしいと思うものもある。そういう意味では、ただ正しいことを訴えるのではなく、それをどう伝えるのか、より多くの人に参加してもらいやすくする機能を持つことは大事」とアーティビズムのあり方に賛同。さらには、黒部さんの活動に関して「(声楽を専修していた)黒部さんが歌って、とても注目を集めていたので、これは可能性があると思った」と期待を寄せていました。