関門海峡またぐ2本目の橋、柱の間1キロ超の巨大つり橋…「明石」以来30年ぶりビッグプロジェクト

AI要約

関門海峡に2本目の橋「下関北九州道路」が計画されており、巨大なつり橋が建設される見通しである。

橋の海面からの高さは約60メートル、主塔間の支間長は1キロを超える規模で、30年ぶりの長大橋プロジェクトとなる。

下北道路は本州と九州をつなぐ新たなルートで、災害時の代替路や物流円滑化、観光振興などに期待が寄せられている。

 本州と九州を結ぶ2本目の橋を含む「下関北九州道路」(下北道路)について、国土交通省などが作成した都市計画のルート素案の全体計画が29日、判明した。関門海峡の海中に2本の主塔を建て巨大なつり橋を整備する。主塔間の長さを示す支間長は1キロを超える規模で、事業化すれば明石海峡大橋(支間長1991メートル、兵庫県)などが完成した1990年代後半以来、約30年ぶりの長大橋のビッグプロジェクトになる見通しだ。

 素案は30日から6月上旬にかけて、山口県と北九州市が住民説明会で示す予定。

 関門海峡には、日本経済を支える国際航路「関門航路」が通っており、大型船も多く航行するため、新しい橋は海面からの高さが約60メートルとなる。主塔の高さは約200メートル近くになる見込みだ。

 下北道路は、山口県下関市・彦島の旧彦島有料道路を起点とし、北九州市小倉北区の北九州都市高速道路・日明出入口付近を終点とする延長約8キロの道路で、海峡部は約2・2キロに及ぶ。老朽化が進む関門国道トンネルと関門橋に続く本州と九州をつなぐ「3本目のルート」として、災害時の代替路や物流円滑化、産業、観光振興などの役割が期待されている。

 北九州市側にインターチェンジ(IC)を1か所、下関市側には2か所整備する。下北道路の総事業費は最大約3500億円を見込む。