【独自】行方不明から21年…「30歳の吉川友梨さん」の似顔絵を公開 ”科捜研・似顔絵捜査”のリアル

AI要約

大阪府熊取町で9歳の吉川友梨さんが行方不明になった事件から21年が経ち、30歳の友梨さんの推定似顔絵が公開された。

群馬県警の似顔絵捜査の専門家が作成した似顔絵は、頭蓋骨の骨格を元に顔立ちを再現する復顔法に基づいている。

緑川氏はこれまで170枚以上の推定似顔絵を描き、似顔絵作成を通じて捜査の情報量増加や行方不明者の発見に貢献してきた。

【独自】行方不明から21年…「30歳の吉川友梨さん」の似顔絵を公開 ”科捜研・似顔絵捜査”のリアル

 大阪府熊取町で吉川友梨さん(当時9歳、小学4年生)が、下校途中に行方不明となった事件から21年が経ち、大阪府警が30歳になった友梨さんの推定似顔絵を公開した。

 事件を風化させてはならないと大阪県警が作成を依頼したのは、群馬県警の「似顔絵捜査の達人」だった。ABEMA的ニュースショーでは、似顔絵捜査を40年以上行い、全国で2人のみの似顔絵分野における広域技能指導官のひとりである、群馬県警科学捜査研究所の緑川順氏(65)を直撃した。

「友梨さんの小さい頃から失踪直前、そして両親の写真から所見をとって、どの程度成長するのかを推測する。可能性があるならば、やらないわけにはいかない」(群馬県警 科学捜査研究所・緑川順氏)

 2023年4月に依頼され、完成には1年を要した。頭蓋骨の骨格から顔立ちを再現する「復顔法」には、粘土などで顔を造形する場合もあるが、緑川氏はさまざまな知見を元に描く。

「捜査の似顔絵は目撃者だよりで、印象に左右されてしまうが、復顔法は頭蓋骨ベースで推定する。変わらない部分を把握することが必要。脳頭蓋(のうとうがい)が最初に大きくなり、10歳までには成人の約96%になる。目と目の距離も5歳くらいで51~52ミリ、成人女性と8~9ミリ程度しか変わらない」(緑川氏)

 復顔法では、頭蓋骨や左右の目の位置は動かさず、頭蓋骨に見合った筋肉や皮膚の厚さを考えて、輪郭を推定する。約100項目におよぶ顔の特徴を分析し、1人の復顔に約3カ月~1年かかる。緑川氏いわく、「耳は年齢が上がっても変わらない。狭い範囲に複雑な形が入り、個人で違いが出る。耳の形を見れば、個人識別も可能」だそうだ。

 緑川氏は1977年に群馬県警の警察官となり、5年ほどの交番勤務を経て、絵の才能を買われて鑑識課へ。群馬大学医学部へ通って輪郭や骨格を研究し、イギリス留学で復顔法を学んだ。これまで描いてきた推定似顔絵は170枚以上だ。

 県内で発生した誘拐事件の似顔絵も手がけた。1996年に群馬県太田市のパチンコ店で、横山ゆかりさん(当時4歳)が行方不明になった事件で、緑川氏は20歳になったゆかりさんの推定似顔絵を描いた。なお、この事件は、いまも未解決だ。

「文章や現場映像だけだと、関心度は低い。似顔絵を作ったことによって、事件に目を向けてもらい、捜査情報量が増えて発見された人もいる」(緑川氏)

 吉川友梨さんについての情報提供は、大阪・泉佐野警察署(072-464-1234、yuri@police.pref.osaka.jp)まで。横山ゆかりさんも同様に捜査本部(0120-889-324)まで。

(『ABEMA的ニュースショー』より)