警察庁長官銃撃事件の犯行を「自白」 中村泰受刑者が医療刑務所で死亡、94歳

AI要約

平成7年3月、国松孝次警察庁長官が自宅前で銃撃された事件で、関与を認める供述をしていた中村泰(ひろし)受刑者が東京の医療刑務所で死亡していたことが分かった。

長官銃撃事件は未解決であり、警視庁はオウム真理教信者を逮捕したものの、捜査が続くようだ。

中村受刑者は他の事件で服役中に、長官銃撃事件への関与を自供し、裏付け捜査されたが立件に至らなかった。

警察庁長官銃撃事件の犯行を「自白」 中村泰受刑者が医療刑務所で死亡、94歳

平成7年3月、国松孝次警察庁長官(当時)が東京都荒川区の自宅マンション前で銃撃された事件で、関与を認める供述をしていた中村泰(ひろし)受刑者=別の事件で服役中=が22日、東京都昭島市にある医療刑務所「東日本成人矯正医療センター」で死亡していたことが、関係者への取材で分かった。94歳だった。死因は誤嚥性肺炎だった。

長官銃撃事件は、7年3月30日午前8時半ごろ、荒川区南千住の自宅マンションを出た国松長官が拳銃で狙撃され、4発中3発が腹などに命中、重傷を負った。

警視庁は16年7月にオウム真理教信者の警視庁元巡査長らを逮捕したが、不起訴に終わり、22年3月、公訴時効を迎えた。警視庁は「教団信者グループにより敢行された組織的テロ」とする異例の捜査結果概要を公表したが、未解決に終わっている。

中村受刑者は大阪市や名古屋市で発生した現金輸送車襲撃事件で逮捕され、強盗殺人未遂罪で無期懲役が確定。その後、警視庁の調べに長官銃撃の犯行を自供した。東京・西新宿の貸金庫などに大量の拳銃や実弾を隠し持っていたことが判明し、警視庁が裏付け捜査を進めていたが、立件には至らなかった。

産経新聞は20年3月に中村受刑者の事件への関与について報道。取材に対し、「(犯行への関与について)否定も肯定もしない」と話していた。