「災害関連死」30人増え、能登半島地震の死者が260人に…関連死認定の課題は?

AI要約

能登半島地震による避難生活などで亡くなった人を「災害関連死」に認定する審査が行われ、初日に30件が認定された。

災害関連死に認定されると遺族に災害弔慰金が支給されるが、審査には時間がかかるため、課題が残る。

過去の災害関連死の例を挙げつつ、今回の認定に関する課題や専門家の意見を紹介している。

「災害関連死」30人増え、能登半島地震の死者が260人に…関連死認定の課題は?

能登半島地震による避難生活などで亡くなった人を「災害関連死」に認定するかどうかの審査会が始まり、初日の14日は30件が認定された。今回の認定で能登半島地震による死者は260人となったが、この認定審査の課題とは…

災害関連死の認定は遺族の申請に基づき、市や町が合同で開く審査会で判断されることになっている。初会合には県が選任した医師や弁護士など5人の有識者が出席し、珠洲市と輪島市、能登町から申請があった35件について審査を行った。その結果、審査会は30件を災害関連死に。

残る珠洲市の5件は引き続き審査が行われることになった。今回の認定で能登半島地震による死者は260人となった。

災害関連死に認定されると各自治体から遺族に災害弔慰金が支給される。この災害弔慰金は生計を担っていた人が亡くなった場合は500万円、それ以外の方の場合は250万円が支給される。

この弔慰金は、災害関連死だけでなく家屋の倒壊や津波などで亡くなった人も、支給の対象だ。直接死の場合も申請は必要だが、この場合は審査などは行わず支給されることになっている。弔慰金はすでに一部の自治体で支給は始まっている。

では、災害関連死に関しては、どのくらいの期間で認定されるのだろうか?

災害関連死に関しては、申請件数はこれまでに県内で少なくとも100件以上となっている。今後さらに増えると見られる。県によると、審査会が開催されるのは月に1回のペース。2024年5月の申請だけでも、すべてを終えるには早くて数か月かかると見られる

2016年の熊本地震では722件の申請があり、これまでに約3割の218件が災害関連死に認定された。現在もなお、申請が続いていて、地震発生から4年5か月後の2020年9月に認定されたケースもあった。

熊本県では政令指定都市である熊本市が単独で審査を行ったが、それ以外の市や町は、合同で審査を行ったため、認定までに時間がかかったとも言われている。

今回の能登半島地震でも能登の自治体の負担を軽減するため、審査会は県がサポートしての合同開催となっていて認定を終えるまでには相当の時間がかかる見通しだ。また、専門家である関西大学の奥村与志弘教授は今後の課題について次のように指摘する。

「審査に必要な申請書に必要事項を記入するときに、どういう風にどこまで何を書いたらいいのかって、初めてのことで分からないことも多いと思う。災害が発生してから、行政とのやり取りを何度も何度もされていて、うんざりしている方もいると思う」そう話した上で行政には…

「弔慰金の対象となる人が、申請をあきらめてしまわないように支援が必要だ」と話していた。

(石川テレビ)