水原一平被告裁判取材拒否の「後日談」を国際弁護士が明かす「前代未聞の対応に前代未聞の謝罪」

AI要約

米国で大谷翔平投手の元通訳が銀行詐欺罪で訴追された事件で、裁判所がメディアの記者を法廷取材から排除し、後に謝罪した異例の対応が報じられた。

水原被告の罪状認否では記者が法廷内での傍聴取材が認められず、別室で聞くしかできなかった。裁判所は後に警備上の問題を理由にしたが、記者側から抗議があった。

裁判所側は後日声明を発表し、メディア排除について謝罪した。これに対し多くの記者や専門家から異例の対応と謝罪についての異例の反応があった。

水原一平被告裁判取材拒否の「後日談」を国際弁護士が明かす「前代未聞の対応に前代未聞の謝罪」

 在米17年の国際弁護士、吉田大氏は19日、TBS系「アッコにおまかせ!」(日曜午前11時45分)に出演し、ドジャース大谷翔平投手(29)の銀行口座からの不正送金により銀行詐欺罪などで訴追された元通訳の水原一平被告(39)が14日(日本時間15日)にロサンゼルスの連邦地裁に出廷した際、メディアの法廷取材が認められなかったことについて「後日談」を明かした。

 この時行われた水原被告の罪状認否は、集まった60人あまりの記者が法廷内で傍聴取材することが許されず、別室で音声のみで聞く対応を余儀なくされた。裁判所側は安全上の懸念を口にしていたというが、はっきりした理由は説明されなかったとされ、メディア側は裁判所に抗議文書を提出していた。

 番組では、現地で取材した記者から「前代未聞」「憲法違反」との声が上がったことを紹介。なぜ裁判所側がメディアの傍聴取材を認めなかったのか問われた吉田氏は「極めて異例。前代未聞と記者の方が怒る気持ちはよく分かる。表情を含めて正確に伝えるのが報道の大原則」と、裁判所側の対応に疑問を示した上で「また前代未聞なのが、裁判所が『すみません。あれは間違いでした』という謝罪の声明を出した。これもまた異例」と指摘。裁判所側は翌15日(同16日)に声明を発表し、裁判所側の不手際を釈明し、今後はこうした対応を行わない考えを示したと報じられている。

 吉田氏は「まず謝らない裁判所が、これに関してはすみませんと謝った。前代未聞の事件にところに、(裁判所の)前代未聞の対応が続いている」とした上で「当初は(メディア排除の理由は)警備上の問題だったと情報が錯綜(さくそう)したが、『もともと記者でした。このようなことになって申し訳ない』と(通常は)謝るようなことのない裁判官が謝った。そして後日、裁判所自体も謝った。前代未聞の対応に前代未聞の謝罪ということになっていると思う」と解説した。

 現地の報道などによると、当日の罪状認否を担当した裁判官が、冒頭で自身がロサンゼルス・タイムズの記者出身と明かした上で、一連の対応を謝罪したと報じられている。