中国 日本人学校の男児死亡事件後に中国空母が日本の接続水域に侵入? 時系列が逆【ファクトチェック】

AI要約

中国で日本人学校の男児が襲撃され死亡した事件と中国空母が日本の接続水域に侵入した出来事の時系列が逆であることが誤解されている。

事件の前に中国空母が侵入し、その後男児が刺された。拡散された情報は誤りである。

深刻な事件と外交的な緊張が交錯する状況において、事実と誤解を正しく区別する必要がある。

中国 日本人学校の男児死亡事件後に中国空母が日本の接続水域に侵入? 時系列が逆【ファクトチェック】

中国で日本人学校の男児が襲撃され死亡した事件をめぐり、男児の殺害後に日本の接続水域に中国空母が侵入したという言説が拡散しましたが誤りです。空母が侵入したのは事件の前です。

2024年9月19日、「中国国内で日本人の子どもが殺害された後にコレである。中国空母 日本の接続水域に初侵入」という言説が拡散した。「中国空母 日本の接続水域に初侵入」という読売新聞がYahoo! ニュースに入稿した記事が添付されている。

2024年9月20日現在、この投稿は8000件以上リポストされ、表示回数は104万回を超える。

投稿について「宣戦布告か」「馬鹿にするにも程がある」というコメントの一方で「別の案件です」という指摘もある。

拡散した投稿が言及している日本人の子供が殺された事件とは、中国南部・広東省深圳市で18日午前8時(日本時間9時)ごろ、深圳日本人学校に通う日本人男児(10)が刃物で刺され、19日未明に死亡が確認された事件だ(NHK)。

一方で、中国海軍の空母「遼寧」が日本の接続水域に侵入したのは18日未明。与那国島と西表島の間を数時間かけて通り抜け、太平洋に向かった。中国空母が日本の接続水域に侵入したのは初めてで、外務省の岡野正敬事務次官は中国の駐日大使に「深刻な懸念」を伝えた(中国海軍の空母「遼寧」、日本の接続水域に初めて一時侵入…外交ルートで「深刻な懸念」伝える 読売新聞)。

つまり、時系列で言うと、18日未明に空母の侵入があり、18日午前9時(日本時間)に男児が刺された。

日本人学校での事件後に中国空母が日本の接続水域に侵入したというのは誤り。時系列が逆だ。

検証:木山竣策

編集:宮本聖二、古田大輔

判定基準などはJFCファクトチェック指針をご参照ください。