重度の知的障害と発達障害も… 生き物を描くパラアーティスト・木下晃希さんの魅力【報道特集】

AI要約

24歳の知的障害を持つ画家木下晃希さんのパラアート作品に注目が集まる。彼の作品は多彩な色彩と鮮やかな線で動物や恐竜が描かれ、展覧会でも高い評価を受けている。

晃希さんの才能は幼少期から現れ、母親によると絵を描いている時だけじっとしていられたという。最近は写真家とのコラボ展覧会が成功し、晃希さんの個性的な色使いが注目されている。

知的障害と発達障害を抱える晃希さんが通う作業所では、仲間との関係も深まっている。彼の成長過程や家族との関係にも光が当たり、パラアーティストとしての晃希さんの魅力が浮き彫りになっている。

重度の知的障害と発達障害も… 生き物を描くパラアーティスト・木下晃希さんの魅力【報道特集】

障害のある作家が湧き上がる衝動のままに生み出す芸術作品「パラアート」に関心が高まっています。生き物たちを優しく色鮮やかに描く、若き知的障害の画家の魅力にせまります。

■人気集める 障害者のアート

迷うことなく線を引く。鮮やかな色づかい。青いカメレオンの出来上がり。一番得意なのがキリン。絶滅危惧種のハシビロコウ。

木下晃希さん、兵庫県西宮市に住む24歳。動物と恐竜が大好きな画家だ。

母親 木下真理子さん

「本当にじっとできなかったので、じっとしていてもらうために紙と鉛筆を渡して。描いている時間が唯一じっとしていたので、いつの間にか絵になって」

2023年5月、動物写真家と晃希さんの2人による展覧会が京都で開かれた。

写真家・加藤直子さんがアフリカで撮影した動物写真をもとに、晃希さんが絵を描いた。色も構図も写真とはちょっと違う。

女性

「色使いが自分では選ばないような色。写真から忠実に描いているとは言え、そういう色では自分は塗らない、塗れないと思うような色」

受付に座る晃希さん。やはり、黙々と絵をかいている。

ーーどれが好き?

子ども

「あのシマウマの絵。シマウマとシマウマがキスしているみたいになってる」

写真家 加藤直子さん

「自分が本当におもしろいと思って撮ったこと、動物が何を考えているんだろうと思って撮ったことをストレートにわかってくださった。(アフリカの自然保護区で)車から降りられないという制約で写真を撮っているが、晃希さんは降りて地面に立っているなと」

■パラアーティスト・木下晃希さん 成長の軌跡

晃希さんが毎日通う作業所。晃希さんには重度の知的障害と発達障害がある。作業所に通い始めて5年、一緒に働く仲間との関係も少しずつ出来てきた。晃希さんはこれまで、どんな人生を歩んできたのだろう。

木下さん一家の次男として生まれた晃希さん。2歳年上のお兄ちゃんとも仲良し。おとなしくて、手のかからない赤ちゃんだった。ところが…