【将棋】獺ケ口笑保人新四段 目指すは棋士と医師との二刀流 奨励会三段リーグ最終局突破

AI要約

15勝3敗の獺ケ口笑保人三段と、14勝4敗の吉池隆真三段が将棋のプロデビューを決めた。

獺ケ口は医師免許取得を目指しながら将棋の研究も続け、医師と棋士の両立を目指す。

他のスポーツでも医師として活躍する例があり、将棋界でも医師免許を持つ棋士が存在する。

 将棋のプロ棋士を目指す、第75回奨励会三段リーグ最終17、18回戦が7日、東京・千駄ケ谷の将棋会館で行われた。15勝3敗の獺ケ口笑保人(おそがぐち・えほと)三段(24)と、14勝4敗の吉池隆真(りゅうま)三段(19)が昇段を決めた。2人は10月1日付で新四段としてプロデビューする。

 獺ケ口は現在、群馬大医学部在学中。当分の間は医師免許取得のための勉強をしながら、将棋の研究も重ね、医師と棋士の二刀流を目指す。「両立できたらいい。将来の選択はケース・バイ・ケース」とした。

 姓の獺ケ口は、福井市にある地名の「うそがぐち」が由来だという。名前の笑保人は、「笑いを保つ人」という意味と、英語の「effort(努力)」という単語を掛けている。

 「当初は将棋の道で生きていこうと考えていたが、厳しいかと思い、医学の道も志した」と言う。今回のリーグは途中でトップに立ったが、ライバルの勝敗はいっさい見なかった。「気にすることなく、自分の将棋に集中できたのが良かった」と語った。午前中の17回戦で敗れたが、頭と気持ちを切り替えて臨み、プロ入りへの勝利をもぎ取った。「指し手で注目してもらえる強い棋士になりたい。米長邦雄永世棋聖があこがれです」。

 将棋界では伊奈川愛菓女流二段(33)が医師免許を取得。森本理子女流2級(21)は名古屋市立大医学部に在学中。囲碁では2010年(平22)に碁聖のタイトルを獲得した京大医学部卒で関西棋院の坂井秀至八段(51)がいる。

 スポーツの世界では75年のプロ野球広島のセ・リーグ初制覇に貢献したホプキンスが、整形外科医として活躍している。さらにサッカー元ブラジル代表で、82年スペインW杯でジーコらとともに活躍したソクラテス(故人)も、現役引退後はスポーツクリニックの開業医をしていた。