プラズマ発生装置、新型に 核融合研究のLHD後継

AI要約

核融合科学研究所は、核融合発電の実用化に向け、LHDの運用を2025年度に終了し、新型実験装置の開発に取り組むことを発表。

核融合発電の実現には、高温・高密度のプラズマを長時間維持することが必要であり、他国に後れを取らないため、装置を一新することを決定。

LHDの後継機は10分の1に小型化し、計測機器を増強した上で新たな研究を開始する予定。

 核融合科学研究所(岐阜県土岐市)が、核融合発電の実用化に必要な超高温プラズマを発生させる世界最大級の「大型ヘリカル装置」(LHD)の運用を2025年度に終え、後継の新型実験装置を開発することが3日、分かった。LHDは約25年間で19万回超の実験をしてきたが、老朽化のため引退する。後継機は約10分の1に小型化する予定で、26年度から開発に着手する。

 核融合発電は、原子核同士をぶつけて融合させると生じるエネルギーを使って電力を生み出す。実現には1億度以上の高温・高密度の「プラズマ」と呼ばれる状態をつくり、長時間維持する必要がある。研究を加速する欧米各国に後れを取らないよう、同研究所も装置を一新する。

 LHDは、プラズマ内部の状態を高い精度で調べられる世界トップクラスの計測機器を備える。26年度からは、同研究所内に既にある別の装置を改良して研究を継続。同時に3年ほどかけてLHDの10分の1程度の新装置を開発する。プラズマの性質を調べる計測機器はLHDの物を活用しつつ、増強する。