【台風10号の29日ドキュメント】飛行機内に響き渡る悲鳴…強風で着陸時に機体が大きく揺れる ゆっくりと九州縦断中で各地に被害…河川氾濫で道路“分断”も

AI要約

九州を縦断する台風10号の影響で被害が相次ぎ、各地で交通が混乱し避難が進んでいる。

台風のスピードが遅く、暴風や大雨が長引く恐れがある中、住民は不安な時間を過ごしている。

道路の冠水や川の氾濫、転落事故など、台風の影響で九州各地で被害が報告されている。

【台風10号の29日ドキュメント】飛行機内に響き渡る悲鳴…強風で着陸時に機体が大きく揺れる ゆっくりと九州縦断中で各地に被害…河川氾濫で道路“分断”も

台風10号が上陸した九州では、着陸する飛行機が強風で大きくあおられたり、道路が冠水した影響で”分断”されるなど、各地で被害が相次いだ。台風10号は今後、ゆっくりとしたスピードで30日にかけて九州を縦断する見込みで、暴風や大雨が長引く恐れが出てきている。29日の各地の様子をまとめた。

29日午後5時前、台風の中心が迫っていた熊本・玉名市。すでに満員状態の避難所では、住民が不安な時間を過ごしていた。

避難した人:

自宅にいると雨風がすごく強くて怖い。できれば早く帰りたいんですけど、ちょっと“ゆっくり台風”で困ってます。

午前10時の熊本・八代市では、台風10号が近づくにつれ、降り続いていた雨の勢いが急変。突然、暴風雨となり、周囲の様子が一変した。

台風10号は29日午前8時ごろ、鹿児島・薩摩川内市に上陸。自転車並みのゆっくりとしたスピードで九州を縦断中で、午後6時現在、長崎・雲仙市付近にあるとみられる。

午後2時の雲仙市では、住宅街の裏を流れる川が激しい濁流となって家屋に迫っていた。進路を変えながら進む台風に、人々は眠れない夜を過ごしていた。

雲仙市民:

ゆうべからずっと起きていた。スピードが遅いので長い時間心配しないといけない。早く過ぎてほしい。

午前10時、由布院駅前は横殴りの雨となっていた。田畑が広がる地域に移動すると、暴風が吹き荒れ、街のいたるところが冠水していた。

たたきつけるような雨の中、レインコートを体に巻きつけ避難所に向かう住民の姿もあった。

避難所へ向かう住民:

台風の避難で(自宅が)浸水してきそうなんで。

由布市では、市内を流れる宮川が氾濫。周辺の1256世帯の2311人に、警戒レベルが最も高いレベル5の「緊急安全確保」が出された。

あふれ出した水は、住宅街にも流れ込み、マンホールは水が下から湧いて出てきていて浮いていた。

由布市湯布院で午後4時半までの24時間で降った雨は461.5mmで、8月の観測史上1位を記録した。

田んぼと運動場に挟まれた長い下り坂の道は冠水し、完全に分断されている。

住宅街の道路には、土砂に行く手を遮られたのか、軽自動車が止まっていた。片側1車線の県道に土砂が流れ込み、車道をふさいでしまっている。

鹿児島県では、船を係留していた男性が海に転落して行方不明となったほか、九州各地で午後5時時点で76人がけがをしている。