「腐ったみかん」強豪女子柔道部で不適切な発言や指導、顧問を処分

AI要約

長崎県立長崎明誠高校の女子柔道部の顧問教諭が不適切な指導を繰り返し、懲戒処分を受けたことが発表された。

教諭は暴言や体罰を行い、部員2人が精神的苦痛を訴えて転校する事態となった。

教諭は以前も同様の行為で停職処分を受けており、今回は依願退職する形で処分された。

「腐ったみかん」強豪女子柔道部で不適切な発言や指導、顧問を処分

 強豪として知られる長崎県立長崎明誠高校(長崎市西海町)の女子柔道部で、顧問の男性教諭(46)が暴言など不適切な指導を繰り返したとして、県教育委員会は20日、この教諭を停職6カ月の懲戒処分にしたと発表した。

 処分は19日付で、教諭は同日、依願退職した。教諭は昨年3月、同じ柔道部での体罰と暴言で停職2カ月の懲戒処分を受けたが、その後、指導に復帰していた。

 県教委によると、教諭は今春、一部の部員に「腐ったみかん」と発言。家庭環境を他の部員に聞こえるように発言したほか、教諭から叱責(しっせき)された部員が雨の中、屋外で腕立て伏せをしていたのを止めなかった。保護者からの連絡で発覚し、部員2人は精神的苦痛を訴えて転校したという。

 男性教諭は県教委の聞き取りに「本人たちを奮起させる言葉だった」と説明。「部員2人が転校することになり、申し訳なく思っている」と話しているという。

 男性教諭は昨年3月、部員5人のほおを平手でたたくなどの体罰や、「消えろ」「くず」などの暴言を吐いたり、ノートを投げたりして、停職2カ月の懲戒処分を受けた。

 男性教諭の指導復帰について、県教委の担当者は「全国屈指の強豪校であり、生徒たちの思いをかなえてあげるような指導者を充てた」とし、一部の生徒からは指導の継続を望む声があったと説明した。

 女子柔道部は県高校総体で16回連続で優勝し、全国大会の常連となっている。(榧場勇太)