混迷の自民総裁選「派閥を守りたい麻生」「高みの見物の菅」「孤立を深める森」…3長老たちの“推し候補”と意外なホンネ

AI要約

9月に予定される自民党総裁選に岸田文雄首相が不出馬を表明したことで、「ポスト岸田」レースが激しさを増している。

石破茂や河野太郎、高市早苗など複数の候補者が出馬意向を示しており、次期選挙に関わる思惑が高まっている。

森喜朗氏の影響力低下や清和会の分裂状態もカギを握る。

党内からは小泉進次郎氏を推す声が高まっており、「世代交代」や「刷新」を期待する若手議員も多い。

一方、森喜朗氏の支持動向や清和会の立ち位置は不透明で、進次郎氏の応援に関しては疑問符がつく。

麻生太郎副総裁が相変わらず存在感を示している中、総裁選への影響力を巡る駆け引きが激しさを増している。

混迷の自民総裁選「派閥を守りたい麻生」「高みの見物の菅」「孤立を深める森」…3長老たちの“推し候補”と意外なホンネ

 9月に予定される自民党総裁選に岸田文雄首相が不出馬を表明したことで、「ポスト岸田」レースが激しさを増している。一方で、出馬意欲を示す候補者たち以上に注目を集めるのが、その当落すら左右する「キングメーカー」の動向だ。そんな3長老たちの“肚の内”を覗いてみると――。

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 現時点で、総裁選へ出馬する意向を示しているのは石破茂・元幹事長(67)に河野太郎・デジタル相(61)、高市早苗・経済安全保障相などとされる。

「他にも茂木敏充・幹事長や野田聖子・元総務相、斎藤健・経産相らも出馬に意欲的と伝えられます。しかし『このメンツじゃ、誰がなっても次の選挙に勝てない』との声も多く、党内からは“選挙の顔”として期待できる、小泉進次郎氏を推す声が勢いを増しつつある」(全国紙政治部記者)

 国難をヨソに、自民議員らが「次の選挙」を気にするのは、来年に衆議院・参議院とも任期満了を迎えるためだ。

「つまり次期総裁選びが“自分たちの命運を決める”との危機感があり、進次郎氏なら『世代交代』と『刷新』をアピールでき、地に堕ちた党の信頼回復も果たせると夢想する若手議員は多い。もし進次郎氏が出馬表明すれば、支援に回る意向を持っているのが党長老の森喜朗氏とされますが、ひとつ大きな問題が……」(同)

 それが森氏の党内での影響力の低下という。自民党関係者が語る。

「これまで森さんの“影武者”として、萩生田光一・前政調会長が党内に睨みを利かせていた部分もありましたが、自民派閥の裏金問題や7月の都議補選での大敗を受け、萩生田氏自身が党中央から弾かれてしまった。と同時に森さんの影響力も急速に低下し、仮に森さんが進次郎氏を応援したいと思っても、果たしてヒトを動員できるのかどうか……」

 威光の陰りとともに、森氏がかつて会長を務め、その後も「仕切り役」として君臨してきた清和会(安倍派)も“分裂状態”に陥りつつあるという。

「清和会の3回生以下の若手のなかには“進次郎を推す”と話す者が少なくありません。それより上の世代で中国地方に縁のある議員などを中心に“石破支援”に回る動きも伝えられる。求心力を失った清和会は早い段階から総裁選を睨んだ“草刈り場”になっていて、茂木陣営の切り崩しにあっている若手議員もいると聞く。分裂というよりも、清和会の現状はバラバラに近い」(同)

 そんななか、相変わらずの存在感を放つのが麻生太郎・副総裁という。