脳波を言葉に、精度97% ALS患者、家族と会話も

AI要約

全身の筋肉が衰えるALS患者の脳に電極を移植し、脳波から文章を高精度で読み取る成功した研究が発表された。

電極移植により、患者は発話が難しくなった状態から家族と会話することが可能となった。

研究参加者の1人であるケーシー・ハレルさんは移植後、脳波から言葉への変換システムを使い、高い正解率で文章を読み取っている。

脳波を言葉に、精度97% ALS患者、家族と会話も

 【ワシントン共同】全身の筋肉が衰える筋萎縮性側索硬化症(ALS)で発話が難しくなった患者の脳に電極を移植し、脳波から話したい文章を高精度で読み取ることに成功したと、米カリフォルニア大デービス校のチームが14日、発表した。AIが脳波をリアルタイムで解読、使用2日目で英単語の90.2%、8カ月後には97.5%を正しく示した。

 発症前の録音を基にコンピューターが本人の声で読み上げ、家族と会話もできた。ペースは毎分32単語で健常者の5分の1だが、専門の介護者が聞き取る方法に比べ5倍近く速い。

 研究に参加したのは40代のケーシー・ハレルさん。発症から5年たち、自力では車いすの操作や着替えができず、言葉も不明瞭になっていた。チームは昨年7月、3.2ミリ角の電極チップ4個を脳に移植し、口を動かそうとする信号を読み取れるようにした。

 脳波から言葉への変換システムは移植の25日後から使用。初日に50種類の単語で構成した文章を見て発音を念じる練習を30分行うと、99.6%を正しく読み取れた。