兵庫・斎藤知事がパワハラ?  県議会、30日証人尋問へ

AI要約

兵庫県が斎藤元彦知事によるパワハラ疑惑に揺れている。知事のパワハラが職員の限界を超えるとして告発が行われ、内部調査や百条委員会の設置が進む。関係者の離脱や県政混乱が続く中、真相解明が求められている。

百条委を中心に事実解明が進むことになる。職員の内部告発が保護対象に当たるかが焦点となる一方、県庁内や自治体との関係改善も急務とされる。斎藤氏の辞職を求める声も高まっている。

兵庫県知事のパワハラ疑惑による混乱が続いており、真相究明や県政の立て直しが急務となっている。

 兵庫県が斎藤元彦知事(46)らによるパワハラ疑惑に揺れている。当初、斎藤氏は「事実無根」などとしていたが、事態を重く見た県議会は6月、調査特別委員会(百条委員会)を設置。今月30日には斎藤氏の出頭を求め、疑惑について公開で証人尋問する予定だ。

 ―何が起きているの。

 発端は、地方機関の局長だった男性職員が3月中旬、斎藤氏らの告発文書を作成したこと。20メートルほど手前で公用車を降りて歩かされただけで怒鳴り散らしたり、気に入らないことがあると机をたたいて激怒したりするなど「知事のパワハラは職員の限界を超える」と訴え、贈答品の「おねだり体質」も明かした。

 ―斎藤氏は何と。

 同月27日の記者会見では「うそ八百含め、公務員として失格」などと強い口調で批判した。県は5月、文書について「核心的な部分が事実でない」とする内部調査結果を公表。職員を停職3カ月の懲戒処分とした。一方、議会内からは透明性の確保を求める声が上がり、6月に百条委が設置された。

 ―百条委とは。

 地方自治法に基づき強い調査権限を持つ委員会だ。疑惑の真相解明のため、関係者の出頭や証言を請求できる。兵庫県議会で設置されるのは51年ぶり。この職員も証人となる予定だったが、7月7日に亡くなっているのが見つかった。自殺とみられる。職員は生前、斎藤氏が出張先でワインを要求したとされる音声データも残しており、百条委はこのデータを調査資料として採用した。

 ―県庁内は。

 斎藤氏側近の幹部が相次ぎ離脱する異常事態となっている。副知事の一人は県政混乱の責任を取り7月31日付で辞職。斎藤氏肝煎りの若者支援策を担当していた理事は、本人の希望で8月1日付で降格し、総務部長も病欠している。県庁には1日100件超の電話が寄せられ、大半が「知事は辞めるべきだ」といった抗議だという。ただ、斎藤氏は疑惑の一部を認めつつも「県政を立て直すことが私の責任だ」と辞職を否定している。

 ―今後はどうなる。

 百条委を中心に事実解明が進むことになる。この職員が、不正行為を内部告発した人を守る「公益通報者保護法」に基づく保護対象に当たるかどうかも焦点の一つだ。さらに、県内の市町の間には、疑惑発覚前から斎藤氏に対し「率直な意思疎通を欠いているという不満があった」(久元喜造神戸市長)との指摘もある。県内自治体との関係改善を含め、県政の抜本的な立て直しは待ったなしだ。