「平日すべて出勤、土日も部活」…疲弊する教師に保護者の負担も増えつつある部活動 「オンラインプラットフォーム」が救世主になる?

AI要約

中学・高校の多くの教師が長時間労働に追われ、過労とストレスを抱えている。その原因の一つが「部活動」だ。

関西大学の神谷拓教授が開発した「コーチクエスト」は、部活動のオンデマンド教材を充実させることで教師の負担を軽減し、生徒に自己成長の機会を提供する。

プラットフォームには部活動のパフォーマンス向上だけでなく、入試対策などの機能も搭載されており、学校教育の革新に向けた取り組みが進められている。

「平日すべて出勤、土日も部活」…疲弊する教師に保護者の負担も増えつつある部活動 「オンラインプラットフォーム」が救世主になる?

 「テスト採点や部活動で、時間外労働が増える一方…」「平日すべて出勤した上で土日も部活」

 中学・高校の多くの教師が長時間労働に追われ、過労とストレスを抱えている。その原因の一つが「部活動」だ。

 「もはや部活動に一人の先生がずっと張り付いて指導するという仕組み自体が成り立たなくなってきている。それに代わる持続可能な在り方が問われている」

 こう話すのは関西大学の神谷拓教授。現在、学校部活動事業をサポートする会社と連携し、新しい部活動のカタチともいえる、ネット上のプラットフォームの開発を進めている。その名は「コーチクエスト」。教師の働き方を大きく改善させる可能性があるという。

 神谷教授によると、部活動には先生が立ち会わなくても子どもたちができる部分もあり、その部分を確実に子どもたちにやらせる仕組みを作る必要があるという。そのためにまずは「オンデマンド教材」を充実させていく予定であり、さらにオンラインで受講できる機能も搭載するという。

 教師が部活動の顧問になったものの、その部活が自分の専門外だった場合なども、オンデマンド機能などがあれば指導内容を専門家に任せることができ、教師の負担軽減につながる。

 「クラブのそもそもの形とは『みんなで集まって自分たちで解決していく』というもの。こうしたプラットフォームやコンテンツを使えば、自分たちでやるというクラブの世界観を子どもたちに提供できる」(神谷教授、以下同)

 生徒が利用できる機能として、自分のフォームのチェックなどが出来る動作解析アプリや、部内の教師やメンバーに質問などができるチャット機能、自分の目標や達成までの進み具合を記録できる機能などがあり、自分自身の課題の発見と取り組みが促進されることが期待されている。

 さらに、部活動のパフォーマンス向上にとどまらない、先々を見据えた機能も搭載している。

 「今、大学の入試などでも、部活動を含めた生活場面で自分が何を頑張ってきたのかを話すことが求められている。こういった時に困らないように、いろいろなことにチャレンジし、チャレンジしたことをきちんと記録として残せる仕組みを作らないといけない」

 入力した活動記録は、生徒は入試の提出資料に、教師は内申書の作成に活用できる。このプラットフォームは、この秋リリース予定で月額定額制のサブスクリプション形式を採用し、自治体からの補助を受けながら学校が支払う形式を目指しているという。