【パリ五輪】初戦快勝のU-23日本代表、次戦は3月に「完敗」したマリ、勝利へのカギは

AI要約

日本代表がパラグアイを5-0で快勝し、五輪男子サッカーD組の初戦に勝利した。

試合ではパラグアイのラフプレーが目立ち、一発退場となる場面もあった。

後半は日本が見事な攻撃を見せ、5点を決めて圧勝した。

■ 最高のスタート

 7月25日、パリ五輪の男子サッカーD組に入った日本の初戦がパラグアイとの間で行われた。南米予選1位突破のパラグアイとアジアカップを制した日本とのゲームは好勝負が予想されていたが、日本が5-0で快勝、一次リーグ突破に向けて絶好のスタートを切った。

 日本の先発メンバーは以下の通り。

 GK:小久保玲央ブライアン

DF:関根大輝、大畑歩夢、高井幸大、木村誠二

MF:藤田譲瑠チマ、山本理仁、三戸舜介

FW:平河悠、斉藤光毅、細谷真大

 つまり、最終ラインは4で大畑と関根が左右のSBとして攻め上がる態勢で、その前にいた主将で日本の司令塔の藤田譲瑠チマがボランチとして山本理仁と共に守りの要に配置された。そして三戸・平河・斉藤がFWの細谷をフォローしながら攻め入る布陣だった。

■ ラフプレー目立ったパラグアイ

 試合は開始直後から日本がボールを支配する展開となったが、パラグアイの選手たちによるマークが厳しい展開だった。

 そんななか前半19分、斎藤からパスをもらった左SBの大畑が相手陣内深くまでドリブルで入り込んだところから、ゴール前に詰めていた三戸にパス。相手DFを背中で抑えていた細谷のナイスフォローもあり、三戸はフリーでゴール左に蹴り込んだ。これがゴールとなって先制点。チームに落ち着きを与える貴重な得点となった。

 ただ、ここからパラグアイ選手によるマークは執拗さを増した。24分、ボールを保持してパスを出した直後の平河の右足首を10番のビエギル・ビエラが横から踏みつける。明らかな反則だ。ピッチ上に倒れ込み痛さの余り転げまわる平河。VARの末、パラグアイの10番はレッドカードで一発退場となった。

 平河はその後プレーを続行したが、33分にはベンチに交代を要請、代わりに佐藤恵充が入った。ボールを保持すれば得点の匂いがする平河が早々に交代するのはチームにとっても非常に痛い。そしてそれ以上に、次戦以降プレーができるのか心配である。

 その後、前半終了まで日本はGKとDFの間でパスを何度も回すプレーに終始して観客席からブーイングが起きるほどだった。日本としては、リードされたパラグアイが同点にしようと攻めてくるのだろうと思っていたのだろうが、パラグアイはそうしなかった。

■ 後半の見事な攻撃

 後半に入り、パラグアイが積極的に攻め入ろうとする展開になったが、63分、その相手を突き放すようなプレーが飛び出す。相手陣内ゴールラインまでドリブルで深く攻め入った斉藤がゴール前に詰めていた三戸に向けてクロスで浮かせたボールを放つ。三戸は相手GKの立ち位置を確認しながら小さな身体を思いっきり使いダイビングのヘディングシュート。これがゴールに突き刺さり2-0となった。

 ここから日本の波状攻撃は続く。6分後の69分には佐藤から斉藤、そして山本と相手陣内でパスを回し、山本がペナルティーエリア外からミドルシュートを決めて3-0。

 ここでベンチは斉藤と三戸、山本に代えて藤尾翔太と荒木遼太郎、川﨑颯太を投入。

 コンディション不良により別メニューの調整が続いていた荒木に出場機会が巡ってきたのはチームにとってもよかった。藤尾と並び得点力のある荒木が万全の体調であれば得点の可能性が高まる。さらに日本は大畑に代えてDFに西尾隆矢を投入した。

 81分、敵ゴール近くでフリーキックを得た日本は、荒木がゴール前に相手GKが出てこられない絶妙なセンタリングを上げ、そこに詰めていた藤尾がヘディングシュートを決めて4点目。

 さらに日本は攻撃の手を緩めない。自軍でボールを受けた細谷が身体を反転させてトップ位置にいた藤尾に対してパスを繋ぐ。相手DFは2人いたが、藤尾のドリブルは位置取りが良くて相手に全く触らせることもなくGKと1対1で対峙した。落ち着いていた藤尾はヒリヒリする様子を楽しむかのように相手ゴールに見事にシュートを決めた。これで5-0として試合終了となり南米予選1位のパラグアイをこれ以上ない形で撃破したのだった。