海水浴帰りの女性4人死傷の飲酒ひき逃げ事件から10年 「暮らしは一変」 癒えない傷 悲惨な事故なくすには“家族や仕事・友達なくす想像力を” 北海道小樽市

AI要約
10年前の小樽市での飲酒ひき逃げ事件から、厳罰化法律制定に至る様子を振り返る。遺族の悲しみや署名運動による活動を通じて、飲酒運転への厳罰化が必要であることが示唆される。過去の事件を踏まえつつも、未だに続く飲酒運転による悲劇が改善されるべき課題として浮かび上がる。
海水浴帰りの女性4人死傷の飲酒ひき逃げ事件から10年 「暮らしは一変」 癒えない傷 悲惨な事故なくすには“家族や仕事・友達なくす想像力を” 北海道小樽市

北海道小樽市銭函の市道で、飲酒運転をした男の車に海水浴帰りの女性4人がひかれ死傷した飲酒ひき逃げ事件から、7月13日で10年を迎えた。

依然としてなくならない飲酒事故を止めるには何が必要なのだろうか。

6月28日、海開きした「おたるドリームビーチ」。

憩いの場として毎年多くの人が海水浴を楽しんでいる。

しかし、今から10年前。

「事故現場から500メートル離れた現場ですが検問が行われています」(鎌田祐輔 記者)

2014年7月13日午後4時30分、小樽市銭函3丁目の市道で、海水浴帰りの女性4人が飲酒運転の車にひき逃げされ、石崎里枝さん(当時29)、瓦裕子さん(当時30)、原野沙耶佳さん(当時29)が死亡した。

「事故さえ起こさなければ大丈夫だと思った」(海津雅英受刑者の当時の証言)

乗用車を運転していた海津雅英受刑者(当時31)は7時間30分にわたり酒を飲み、車を運転。

スマートフォンを操作するなどし4人をはね、逃走した。

アルコールの影響や悪質性を認定した裁判所の判断は、危険運転致死傷などの罪で懲役22年の実刑判決だった。

「もう10年たったんだと時の流れの早さを気づかされています」(高石洋子さん)

江別市に住む高石洋子さんは21年前に当時16歳だった次男・拓那さんをひき逃げにより失った。

事故後、運転手の飲酒運転も判明。

逃げ得を許さないと約60万人の署名を集め厳罰化した法律制定に尽力した。

小樽の飲酒ひき逃げ事件でも、厳罰化を求め遺族を支えてきた高石さんが感じた遺族にとっての10年は。

「3人のお父さんお母さんの暮らしは一変している。それぞれの中で大変な思いをして暮らしている。あの子たちが生きていたらお父さんお母さんは笑って生きていたと思う」(高石洋子さん)

遺族の生活を一変させたあの事件。

しかしその後も飲酒運転による悲惨な事件が続いている。

小樽の事件から1年も立たずに砂川市で起きたのは一家5人が死傷した飲酒ひき逃げ事件だ。

飲酒運転していた男2人の2台の車が、時速100キロを超えるスピードで赤信号の交差点に進入し、衝突。

4人が死亡した。