東海道新幹線、始発から運転見合わせで混乱 衝突した「保守用車両」とは「夜間に線路の不具合を直すもの」「接近して作業する必要がある」

AI要約

この記事は、JR東海の東海道新幹線で起きた保守用車両の衝突事故による運転見合わせについて報じている。

保守用車両同士の事故で復旧作業に時間がかかる状況や、事故が発生した区間の重要性について詳細が述べられている。

記事では、事故が起きた浜松~名古屋間での影響や代替ルートについても説明されている。

東海道新幹線、始発から運転見合わせで混乱 衝突した「保守用車両」とは「夜間に線路の不具合を直すもの」「接近して作業する必要がある」

 JR東海は7月22日、東海道新幹線・名古屋駅と浜松駅の間で、始発から運転見合わせをしている。原因となったのは、豊橋駅と三河安城駅の間で線路のメンテナンスなどを行う保守用の車両が衝突、脱線したことによるもの。復旧作業は夕方までかかると見られ、22日中の運転再会見込みは立っていない。

 鉄道に詳しいテレビ朝日の荒木基デスクは、原因となった「保守用車両」同士の衝突事故について「最近ではあまり聞かないトラブル。夜間に新幹線は保線作業をするが、電車はずっと走ると線路や電線に不具合などが起きる。最終電車が走った後、作業員が線路に出て状態をチェックするが、今回は作業に使う車両同士が衝突して事故が起きて、動けなくなっている」と説明した。

 衝突した車両の一つには「砂利を実際にならすための車両で『マルチプルタイタンパー』がある。そうすることで線路の高さが水平を保つことができる」という。別の車両とぶつかってしまった理由については「近くで砂利を落としつつ、ならしていくのはワンセットの作業。当然近くで作業していく。どういった経緯で衝突に至ったかわからないが、なんらかの原因でぶつかってしまった。砂利を引っ張る車両にぶつかって、食い込んでしまっている」とした。

 復旧に時間がかかる理由は「線路から外れてしまっているので、戻さないといけないが、その作業にかなり手こずっている。相当重い車両なので、どういう形で持ち上げて戻すのか。そこを今JRの関係者が思案してやっているのでは。(保守用車両の)事故はちょくちょく起きているが、その都度衝突防止の装置がつけられるなど対策はされている。ただ、実際に近接して作業しなければいけないところでもあるので、なんらかのミスやトラブルでぶつかってしまうことは起きてしまう」という。また客を乗せる営業用車両であれば「車両が脱線した時の訓練はよくされている」が、保守用車両の場合は「深夜に作業するためのもので、定刻通りに電車を走らせる縁の下の力持ち的存在。そこが脱線事故を起こすことをあまり想定されていないのでは。そこをどうリカバリーするか、手順として確立していない部分があるかもしれない」と語った。

 今回、事故が発生した浜松~名古屋間は、東海道新幹線として重要な箇所。「普通に新幹線が走る区間なので、常に270キロ近くで走っている場所。場所的には浜松と豊橋の間なので、ここが止まってしまうと東京と大阪はつながらなくなってしまい、東海道新幹線としての役割は果たせない」と述べた。

 なお、現在はひかり・こだまが部分的に運行しているが、東京から名古屋方面に向かおうとした場合は「浜松までは走っているが、そこから名古屋までは走れない。そこから先は在来線に乗り換えて名古屋まで行くしかない。ひかり号・こだま号を使って、浜松までは電車を動かしている。そこから先は完全にダイヤが乱れているので、どれくらいの時間がかかるかわからない。在来線で乗り換えた場合、1時間ぐらいはかかるのでは。最近、北陸新幹線が敦賀まで開通したので、そこまで行って乗り換えて新大阪まで行くというのも一つの選択肢。名古屋まで行くのであれば、在来線ルートの方がましな早さでいけるのでは。ただ浜松での乗り換えとなると、かなりの混雑になるのでは」と語った。

(ABEMA NEWS)