増加に転じた子供の性犯罪被害 「日本版DBS」導入決定も さらなる対策急務

AI要約

性犯罪の被害者が18歳未満の摘発件数が増加傾向にあり、特に不同意性交や不同意わいせつが増加している。

児童ポルノや盗撮行為も依然として問題であり、関連する新法の施行によって対処が進められている。

警察と自治体の連携や啓発活動が必須であり、子供を保護するためにも対策が急務である。

増加に転じた子供の性犯罪被害 「日本版DBS」導入決定も さらなる対策急務

18歳未満が被害者となった性犯罪の摘発件数が昨年、4418件に上ったことが警察庁のまとめで分かった。3年連続の減少から増加に転じ、令和元年(4504件)に迫る水準。子供と接する職場で働く人の性犯罪歴を確認する「日本版DBS」制度の創設を盛り込んだ新法が今年6月に成立する中、被害防止に向けてさらなる対策は急務だ。

■不同意性交など増加

警察庁によると、昨年摘発された18歳未満が被害者となった性犯罪のうち、児童買春や青少年保護育成条例違反(みだらな性行為)、児童福祉法違反(淫行)は前年の令和4年から減少。ただ、不同意性交(旧・強制性交)が709件(前年474件)、不同意わいせつ(旧・強制わいせつ)が1694件(同1464件)と、それぞれ増加している。

今年に入っても、東京・歌舞伎町の通称「トー横」に家出をしてきた小学6年の少女にわいせつな行為をしたとして、自称「トー横の元帝王」の20代の男が6月4日、不同意性交の疑いで警視庁に逮捕される事件が起きた。

歌舞伎町周辺に集まる「トー横キッズ」と呼ばれる少女たちに「泊まるところがある」と声をかけて誘う手口を繰り返していたとみられ、警察関係者は「歓楽街、教育現場、交流サイト(SNS)上と、危険はどこにでも存在することを大人が子供にしっかり教える必要がある」と警鐘を鳴らす。

■相次ぐ盗撮

性交などの直接的な行為を伴わない間接被害も後を絶たない。

昨年摘発された18歳未満が被害者の性犯罪では、いわゆる「児童ポルノ」が2789件にのぼった。内訳は「製造」が1514件、「所持」が499件、「提供(販売や公然陳列)」は776件となっている。

これまで自治体の迷惑防止条例で禁止されていた盗撮行為を取り締まるため、法改正により5年7月から施行された「性的姿態撮影罪」での摘発は539件。同じく同月から施行された、16歳未満に対しわいせつ目的で金銭を渡すなどして会うことを求めたり性的画像を撮影・送信させたりすることを求める「面会要求罪」は19件だった。

■新法の効果は