園児を押し入れに呼び出してわいせつ行為を撮影…20代元保育士の明かした「呆れるしかない犯行動機」

AI要約

元保育士が複数の女児にわいせつ行為をしていた事件の裁判が進行中。被告は犯行を認め、過去に性的虐待を受けた過去も告白している。

被告は複数の女児にバンダナで目隠しをしてわいせつ行為をし、その様子を動画で撮影していた。事件は、一つの女児が母親に犯行を訴えたことで発覚した。

被告は妻子がおり、逮捕後に離婚している。近隣住民は驚きと怒りを表明しており、被告が行った罪に対する厳しい処罰を望んでいる。

園児を押し入れに呼び出してわいせつ行為を撮影…20代元保育士の明かした「呆れるしかない犯行動機」

「お昼寝の時間にEちゃんが寝ていなかったので、押し入れに呼んで注意をしました。その時、押し入れの中に二人きりという状況で、(過去に見た)児童ポルノ動画のことを思い出し、その動画のようにしたいと性的興奮を覚えました。それで、バンダナで目隠しをして、わいせつな行為に及んでしまいました。目隠しをした理由はEちゃんに犯行がバレないようにするためです」

勤務先の認可保育園で複数の女児にわいせつな行為をして、その様子を撮影――不同意性交や児童ポルノ禁止法違反などの罪に問われている元保育士の長田凪巧(おさだ・なぐみ)被告(27)は、警察の取り調べに対し、そう供述したという。

「長田被告は’17年から保育士として働くようになり、’22年4月からは自身の父親が経営する保育園に移って勤務していました。担任としてクラスを受け持つことはなく、保育業務の補助を行っていたということです。

’24年1月17日に園児に性的な暴行を加えたとして逮捕されましたが、同様の犯行を繰り返していたことが発覚。この6月までに合計7回、逮捕されています。長田被告は『自らも幼少期に性的虐待を受けていた』などと供述しており、警視庁が動機などを慎重に調べています」(全国紙社会部記者)

’24年6月6日から東京地裁で長田被告の公判が始まった。上下黒のジャージで法廷に姿を現した長田被告は、SNSにアップされている写真よりも肩幅があり、ガッチリした体型。7月5日に開かれた第3回公判には、頭を五厘刈りにして出廷した。逮捕後に懲戒解雇され、現在は無職だという。

これまでの公判で5件の事件についての審理が行われ、長田被告は「すべて事実です」と認めている。

検察官が読み上げた起訴状などによると、長田被告がひとりで昼寝の見守りをしているときに犯行は行われていた。

「被告人は’23年10月6日午後2時30分ごろ、3階のトイレにBちゃんを呼び出し、バンダナで目隠しをした上でわいせつな行為に及び、その様子を保育所から貸与されているスマホで動画撮影。その後、ファイル共有機能を使って、自身のスマホに動画データを送信しました。

そして同年10月10日午後3時ごろ、Aちゃんを3階の押し入れに呼び出し、バンダナで目隠しをした上で、わいせつな行為に及びました。その様子を個人で使用するスマホで動画撮影しています。さらに同年12月28日午後1時30分ごろ、壊れているプラレールの部品のありかをたずねるふりをして、Cちゃんを3階の押し入れに呼び出し、バンダナで目隠しをしたうえで、わいせつな行為に及びました」(検察官)

帰宅したCちゃんが母親に「(長田被告に)押し入れに呼び出され、変なことをされた。そして口止めされた」と話したことで事件は発覚することとなった。Cちゃんの母親と面談した長田被告は押し入れに呼び出したことは認めたが、頭を抱えてそれ以上の話はしなかったという。

Cちゃんの訴えから2日後の12月30日に緊急保護者会が開かれ、保育園の経営者である長田被告の父親が、息子の不適切な行為を説明し、謝罪した。しかし、長田被告が犯行を認めなかったことから保育園側が翌31日に警察に相談。翌年1月17日、警視庁はAちゃんに対する不同意性交などの疑いで長田被告を逮捕した。

「娘にとって楽しい場所である保育園で、保育士である人間が子供を性のはけ口にしていたと思うと、言葉にならないほどの怒りを覚えます。犯人はもうこの世にいらないと思っているので、極刑にしてもらいたいと思います」

公判で読み上げられたCちゃんの母親の供述調書は強い怒りに満ちていた。

’22年夏ごろから複数回、バンダナで目隠しをされてわいせつな行為をされていたDちゃんの母親も「(犯行が発覚したとき)私たち夫婦はその瞬間に、谷底に突き落とされたような気持ちになりました。かわいくてたまらない娘が傷つけられてしまったショックと、長田に対する、どうしていいか分からない怒りでいまも混乱しています」と強く憤っている。

「娘は、自分が長田からされたことが悪いことだったということを、すこしずつ理解しているようで、夜中にうなされたり起きたりすることも多く、いつにもまして、私にべったりで離れなくなってしまいました。(中略)最後に、長田だけは、何があっても絶対に許しません。娘に代わり、長田に罪を償わせることができるのは、親の私たちしかいません。長田には一番重い刑罰を与えてください」(供述調書より)

一方、Eちゃんの母親によれば、「娘はこのようなことがあっても、遊んでくれた犯人に悪い感情を持っていない」という。それでも供述調書はこう結ばれていた。

「保育士という立場を利用し、お昼寝しないことが悪いことだと認識させて、子供が何も言えない状況をつくり、自分の欲望の赴くままに、性欲のはけ口にしたことは、到底許すことはできません。犯人には自分の罪をすべて認めて、できることなら一生社会に出てくることのないように、一番重い罪で罰してほしいと思います」

長田被告には妻と2人の子供がいたが、逮捕された後に離婚している。近所に住む女性は、「休日には庭でバーベキューをしたり、家族4人で出かけたりと、仲が良さそうな家族でしたよ」と話すが、長田一家が暮らしていた一戸建ては雨戸が締め切られたまま。いつのまにか表札が消え、妻が乗っていた電動自転車もなくなったという。

緊急保護者会の後、長田被告は「逮捕が先延ばしになればいいと思った」と動画を削除している。自身が行ったことが、逮捕されるようなことだとは分かっていたのだろう。

罪の意識があった以上、どこかで立ち止まることはできなかったのか――。そうすれば、多くの人を傷つけることもなかったのかもしれない。(文中一部呼称略)

取材・文:中平良