駄菓子屋にカフェに御用聞き 重い知的障害がある人が通い、働く生活介護事業所「ITSUMO」
重い知的障害がある利用者が、食事やトイレの介助を受けながら、それぞれに仕事をしている生活介護事業所「ITSUMO(いつも)」。
利用者はそれぞれの特性にあった仕事を担当しており、スタッフと呼ばれる利用者が地域のサービスを提供したり、製品を販売したりしています。
ITSUMOにはカフェも併設されており、地域住民や学校帰りの子供たちが訪れ、リラックスした雰囲気で過ごすことができます。
重い知的障害がある利用者が、食事やトイレの介助を受けながら、それぞれに仕事をしている生活介護事業所「ITSUMO(いつも)」。
■利用者はそれぞれの特性にあった仕事を担当
千葉市若葉区の住宅街にある、生活介護事業所「ITSUMO(いつも)」。重い知的障害がある利用者が、食事やトイレの介助を受けながら、それぞれ仕事をしています。
取材した日は16人の利用者がいて、始業時間の午前10時、1人の利用者と職員が、外に出てきて、施設の前の道路沿いに「駄菓子屋」と書かれたのぼりを立てました。
「駄菓子屋ITSUMO」のオープンです。
「ITSUMO」では利用者をスタッフと呼んでいますが、人と関わるのが好きなスタッフが職員と一緒に駄菓子屋でお客さんを迎えます。
「御用聞き」担当のスタッフもいます。
地域の住民からの依頼に応じて、庭の草取りとかポスティングといった仕事に出向きます。
ちょっと根気がいりそうな作業に自分のペースで取り組めるスタッフは、飲食店で廃棄処分になったカキの殻を細かく割る仕事の担当。最終的には粉末状の肥料として、地元の農家に販売しています。
このように、スタッフがそれぞれの特性にあった仕事を担当しています。
■思い思いに過ごせるカフェも併設
ITSUMOにはカフェもあります。
職員とスタッフが前日の食器類を洗ったり、片づけたりと準備する様子を見ながら待っていると、お昼を過ぎてから、学校帰りの子供たちが次々と現れました。
暑い日だったので、みんなかき氷にクリームソーダなど冷たいものを注文します。
カフェの席は、ごろごろできる座敷や、エアコンの効いた個室など様々ですが、どの子供も勝手知ったるという感じで、思い思いに過ごしていました。
ソフトドリンクや、たこ焼きなどの軽食のほか、「缶詰バー mr.kanso」と提携して、スタッフが皿に移して温めるという簡単な作業でできる、様々な缶詰を取り揃えています。
また、ITSUMOを運営する「ベストサポート」が、近辺の貝塚でよく出土するイボキサゴという貝の出汁を使ったパスタソースや混ぜご飯の素の缶詰を開発、最近、売り出しました。
地域貢献の一角も担おうというものです。