ネットでも見られるのになぜ?…歌舞伎町から「わいせつDVD」販売業者がいなくならない衝撃の理由

AI要約

歌舞伎町で無修正わいせつDVDの販売が摘発される

購入者は60代以上の男性が多く、販売者は容易に新規参入可能

昭和から続く裏DVDの販売業者と行政のいたちごっこの状況

ネットでも見られるのになぜ?…歌舞伎町から「わいせつDVD」販売業者がいなくならない衝撃の理由

AV新法などによって年々規制が厳しくなっているアダルトコンテンツ。そんな時代の流れを一切気にしていないのか、歌舞伎町では無修正のわいせつDVDの販売が行われているという。

6月3日の産経新聞などによると、新宿区歌舞伎町地区で無修正のわいせつDVDを販売したなどとして、警視庁保安課はわいせつ電磁的記録頒布などの疑いで住居不定無職の高橋潤容疑者(37)ら15人を逮捕した。

保安課の発表によると高橋容疑者のグループを含む、わいせつDVDを販売していた3グループ5店舗を摘発し、合計約11万枚のDVDなどを押収した。いずれもマンションの一室などに店を構え路上の客引きで集客していたという。

このようなわいせつDVD、いわゆる裏DVDを販売する業者は、たびたび摘発が入り姿を消すものの、次々と新しい店ができるため、摘発してもきりがない状況になっている。

オンラインでアダルトコンテンツが簡単に見られる今、なぜ歌舞伎町では裏DVDの販売業者が消えることがないのだろうか。歌舞伎町に詳しい裏話系のライターに話を聞くと、返ってきたのは意外な答えだった。

「基本的に、裏DVDを購入するのは60代以上の男性です。オンラインでそういった動画を探すことができない人や探すことはできるがデジタルデバイスではなく現物が欲しいという人が多いみたいですね。

それに、昔は裏ビデオや裏本という無修正のポルノが大流行していたそうなので、犯罪者とやり取りしているという意識が薄いことも理由の1つかもしれません」

前出の裏話系ライターによると、歌舞伎町で裏DVDを買うには、ホストやキャバクラのキャッチに話を聞くのが早いという。そのライターに紹介されたキャッチの男性に話を聞いてみると実際に裏DVDを販売している店や取引について話を聞くことができた。

「裏DVDを買うためには、風俗店やキャバクラが営業し始める前に歌舞伎町でキャッチに話を聞く必要がありますね。だいたい17時には店を閉めてしまうので。昼過ぎに歌舞伎町に来ると専門のキャッチや裏DVDを買いに来たおじいちゃんが通りをうろうろしていますよ。

裏DVDの価格は取次のキャッチの取り分5千円を含めて1万5千円。枚数は30枚前後です。お金をもらったらどのようなジャンルがいいのか、例えば『OL物』『制服物』と趣向を聞いてそれがまとめて渡されます」

無理を言って店の前まで案内してもらうとそこにあったのはどこにでもあるマンションだった。実際に購入する客を案内するときは部屋の前で身分証のチェックが行われ、警察でないということが確認できれば中に案内されるという。

裏DVDの販売はわいせつ物頒布等の罪に違反するため、見つかれば逮捕されるにもかかわらずなぜ姿が消えないのか。キャッチの男性に話を聞くと、コスパがよく準備期間がほとんど必要ないからだと悪びれもせずこう続ける。

「裏DVDはそこそこのスペックのパソコンが1台あれば始められます。なので、違法という点を無視すれば簡単に始められるんです。違法サイトから動画をダウンロードしてDVDにやくだけですからね。それに、一度ダウンロードした動画は使いまわすこともできます。DVDの作成に手間がかかる以外は最高にコスパがいい違法事業なんです。

そういうこともあって、業者が摘発されても別の団体がすぐに販売を始めます。先月の摘発の後も、報道されて数日後には次の業者が生まれました」

ただ、購入する男性は年々減っている。そのため、専門ではなく風俗やキャバクラのキャッチをしている際の片手間にやっている人がほとんどなのだそうだ。

昭和のころは、「裏モノ」「裏ビデオ」「違法物」「裏本」といった名前で大流行していて、巨大なビジネスになっていた。時代の変化で少しずつ数を減らし、’04年には石原慎太郎東京都知事(当時)によって「歌舞伎町浄化作戦」が開始されたものの、完全に消し去ることはできなかった。

業者と行政のいたちごっこはまだまだ続くのかもしれない。