福島県出身者にとって、南端いわき市まで歩きたい…去年ようやく全線開通

AI要約

2015年11月~16年3月に歩いたみちのく潮風トレイルや、去年全線開通したふくしま浜街道トレイルについて感慨を述べる。

ふくしま浜街道トレイルの開通までの経緯や、福島県への思いを語る。

トレイルの醍醐味や、未知なる出会いの大切さについて言及する。

 私がみちのく潮風トレイルを歩いたのが、2015年11月~16年3月のことで、もう9年前となり、今年は全線開通から5年という一つの節目を迎えたことは感慨もひとしおです。たくさんのハイカーの皆様が道を愛し、育んでくださった賜物(たまもの)であり、それを支えてくださっている地元の方々のお力添えにも、心より感謝しております。

 そして、ふくしま浜街道トレイルが去年、全線開通となったことは、より一層、感慨深く、開通に至るまでの経緯を思い出すと胸が熱くなります。

 きっかけは、私がみちのく潮風トレイルを全線踏破した際、ゴールの松川浦環境公園(福島)で、「今は難しいことは分かった上で、でも、福島県出身の私は復興の道として、福島県の南端のいわき市まで、歩ける道としてつながってほしい」という切なる願いを初めて口にしたことでした。

 簡単に実現することは不可能だと思われたものの、19年の(みちのく潮風トレイルの)開通式で、多くの皆様からの賛同を受け、地元自治体の方々の多大なるご尽力は元より、みちのくトレイルクラブさんの地道なご助力のおかげで、4年という信じられない短期で開通に至りました。

 ありがたいことに、私はみちのく潮風トレイルもふくしま浜街道トレイルも、民間では最初に全線踏破したことになっていて、この道とは切っても切れないご縁でつながっていると自負しております。

 「トレイルマジック」という言葉があります。

 これは、ハイカーさんがトレイル中に様々な素敵な奇跡や偶然に遭遇することを言い表していますが、私にとっては、ふくしま浜街道トレイルの存在自体が、大きなトレイルマジックなんじゃないかと思えています。

 私は、トレイルの最大の醍醐(だいご)味は、歩くことでしか巡り合えない未知なる出会いだと実感しています。これからも祈りの道、語り継ぐ道として、多くのハイカーさんたちが、奇跡や偶然の出会いに満ちた歩く旅を楽しめるように応援を続けてまいります。