早大生の出身地「首都圏8割・地方2割」の衝撃!実家暮らしが増えてバンカラ絶滅危機のワケ

AI要約

早稲田大学の地方出身者が減少している現状について解説。過去と現在の比率の変化や筆者自身の経験を通して状況を明らかにする。

入学者の出身地の傾向や学生の多様性について説明。首都圏出身者が大半を占める状況に変化が見られる。

入学試験の変化や現役生のインフルエンサーによる受験事情の見解など、現代の早大の入学状況を分析。

早大生の出身地「首都圏8割・地方2割」の衝撃!実家暮らしが増えてバンカラ絶滅危機のワケ

 早稲田大学について「地方出身の学生が多い」という印象を持っている人が多いかもしれません。ですが、それは過去のもの。近年は首都圏の出身者が8割を占め、地方出身の学生は2割と少数派になっています。早大周辺は下宿やマンションが多い学生街として知られますが、今は「実家暮らし」の学生も少なくありません。その理由は何なのでしょうか。9浪の末に早大に合格した過去を持つ筆者が、母校の現状を徹底考察します。(教育ジャーナリスト 濱井正吾)

● 早大で地方出身者が激減… 関西人はクラスに一人だけ!

 早稲田大学(以下、早大)には門がありません。学びたい人を拒まず、誰でも大学に入って自由に勉強できるという、早大の開かれた精神を表現しています。

 そうした多様性のある環境で学ぶため、かつては日本全国の受験生が早大に入ることを目指しました。歴史をひもとくと、裕福ではない地方の家庭から、苦学して合格を勝ち取った人も大勢いるはずです。

 早大に対して、貧乏でもハングリー精神を忘れない「バンカラな学生」が集まる大学だというイメージを持っている人も多いのではないかと思います。ですが今、早大の昔ながらの雰囲気は、ちょっと変わりつつあります。

 というのも、早大入学センターの発表によると、2024年度における早大合格者(※一般選抜と共通テスト利用入試の合計値)の出身高校所在地は「関東が79.17%」だったのです。

 1882年の創立当初、関東出身者は2割程度しかいなかったそうですが、時の流れとともに、その比率は逆転してしまいました。

 かくいう私自身も早大教育学部出身です。地方(関西)の生まれで、18年に入学して22年に卒業しましたが、確かに在学中は印象と実態のギャップに少々驚かされました。

 そもそも教育学部の入学式当日、先生が祝辞でこんなことをおっしゃっていました。「バブル期の早稲田はちょうど、首都圏の学生と地方の学生の比率が5:5くらいでしたが、現在は首都圏が73%、地方が27%です」(※)と。

 ※データは私の入学当時のもの。前述の通り、今はさらに地方出身者が減っています。なお、1986年には首都圏と地方の出身者の比率が「52:48」だったとのこと。

 私が入学した年、教育学部国語国文学科の同級生は137人。そこからクラスが4つに分けられ、1クラスに30~40人ほどがいました。そのオリエンテーションで、各々が名前に加えて出身地を自己紹介したのですが、およそ8割が東京・神奈川・埼玉・千葉の出身。関西から来ていたのは私だけだったのです。

【次ページ以降】

・地方出身者が激減したワケ

・9浪はまいを待ち受けていた大学生活

・「総合問題」に「英語4技能テスト利用方式」…多様化する早大の入試とは

・受験に詳しい早大出身インフルエンサー「じゅそうけん」さんの見解