「手応えしかない」躍進の石丸伸二氏を直撃 都民の政治参加、魅力発信が柱「私なら楽勝」

AI要約

東京都知事選が大詰めを迎え、石丸伸二氏の追い上げが注目されている。

石丸氏は経済と行政を知る経済専門家として都知事選に挑み、都民の興味を引いている。

選挙戦を通じて都民の政治への関心が高まり、選挙が盛り上がっている。

「手応えしかない」躍進の石丸伸二氏を直撃 都民の政治参加、魅力発信が柱「私なら楽勝」

 7日の投開票を前に、東京都知事選が大詰めを迎えている。各候補が舌戦を繰り広げるなか、最新の情勢調査で浮かび上がったのは前安芸高田市長の石丸伸二氏の追い上げだ。出馬表明後の6月15日には、その後自身も都知事選に立候補したひまそらあかね氏とYouTube番組で対談を生配信、大きな話題を呼んだ。ここまでの選挙戦にどのような手応えを感じているのか。4日に東京・四ツ谷のコモレモール前で街頭演説を行った石丸氏を直撃した。

 石丸氏は三菱東京UFJ銀行の為替アナリストから2020年に地元の広島・安芸高田市の市長選挙に立候補、政界初挑戦ながら当選を果たした。市長就任直後からSNSを駆使して市政の魅力を積極的に発信。安芸高田市公式YouTubeのチャンネル登録者数を自治体公式YouTube日本一となる26.8万人(6月8日時点)まで伸ばし、広告収入やふるさと納税の増加を軸に5年連続赤字だった自治体を黒字転換させた実績を持つ。

 この日、気温34度の四ツ谷に降り立った石丸氏は、開口一番「アツがナツイ!」と一言。厳しい暑さのなか200人ほど集まった聴衆の体調に気を配りながら、軽快な口調で演説を行った。自身の経歴に触れ、「経済と行政を知っているのが石丸伸二の強み。これまでの東京都知事は文化人ばかりで、経済人がいなかった。経済の専門家がやれば東京はもっともっとよくなる」と訴えると、聴衆からは盛んに歓声が上がった。

 政策では「政治再建」「都市開発」「産業創出」を3本の柱に掲げ、「都議会の動画は上がっているが、見たことのない人が多い。政治で何よりも大事なのは見られているという緊張感を持つこと。都民に政治への興味関心を向けさせることは、他の候補の方には難しいかもしれませんが、私なら楽勝でやってのけると思います。まず間違いなく東京が1位、安芸高田市には申し訳ないけど2位になってもらう。人口が少ないから『2位じゃダメ』とは言われないでしょう」と語った。

 6月15日に生配信されたひまそらあかね氏との対談では、アニメ・漫画好きを公言する石丸氏に対し、ひまそらあかね氏が人気アニメ『鬼滅の刃』に関するクイズを出題。石丸氏が答えに詰まる場面が配信された。政治と直接関係のないアニメの話題が大部分を占める異例の対談となったが、なぜ選挙期間中の大事な時期にあのようなオファーを受けたのだろうか。

 街頭演説後、石丸氏はENCOUNTの取材に「本当に話題になったんですか? あの対談。『ReHacQ(リハック)』というネットメディアからオファーがあったからですよ。メディアが宣伝として価値があると判断したから受けました」と説明。選挙戦への影響については「(『鬼滅の刃』についての指摘は)覚えていないだけであって、読んでないというのは的外れ。そもそも選挙のために出たわけでなく、一人でも多くの人が政治に興味関心を持ってもらえるだろうと思ったので受けました」とし、「1対1では受けないですよ、キリがないので。あれが誰であってもメディアのオファーであれば受けますし、逆にひまそらさんが他のパターンでいくら言ってきても受けないですよ。扱いきれないので」と話した。

 あらためて、ここまでの選挙戦を振り返り「手応えしかない。すごくいい感じで選挙が盛り上がってきている」と石丸氏。自身の躍進の理由については「政治本来の魅力に都民の皆さんが気づいてきているからでしょう。気づいていないのはメディアの皆さんじゃないですか? 今のは皮肉ですけど」と語った。

 今回の都知事選には現職の小池百合子氏や前参議院議員の蓮舫氏、元航空自衛隊幕僚長の田母神俊雄氏ら、過去最多となる56人が立候補している。