「あんた、すぐ逃げな!」77歳の人情おばちゃんがヤクザを逃がして逮捕…その「ヤバすぎる舞台裏」

AI要約

蕨市にある「ヤクザアパート」の大家が犯罪者の逃走を手助けした疑いで逮捕された事件について、稲垣容疑者がアパートに住む暴力団関係者らを無審査で入居させていたことが判明。

稲垣容疑者は約15・2キロの覚醒剤密輸事件の捜査中に、逮捕された犯罪者たちに逃走を促す電話をかけていたという疑惑が持ち上がっている。

蕨市ではチャイニーズマフィアや暴力団関係者が多く、地元住民は「ヤクザアパート」を恐れている。稲垣容疑者の行動やその背景について捜査が進められている。

「あんた、すぐ逃げな!」77歳の人情おばちゃんがヤクザを逃がして逮捕…その「ヤバすぎる舞台裏」

 埼玉県蕨市に、「ならず者」が集結しているアパート群がある。この魔窟に潜んでいた犯罪者を逃がしたとして、逮捕された大家が話題だ。この女、何者なのか。ここにはどんな住人が住んでいるのか。

 「あんたやってんの? (警察から)連絡が来たよ。やってるんだったらやってるで、すぐ逃げな」

 警察が捜査中の人物の逃走を手伝ったとして、警視庁薬物銃器対策課は5月29日、埼玉県蕨市の不動産業・稲垣美惠子容疑者(77歳)を犯人隠避の疑いで逮捕した。

 4月下旬までに、約15・2キロ(末端価格約9億4500万円)の覚醒剤を密輸したとして男女6名が逮捕されたが、稲垣容疑者は彼らに家宅捜索が入ることを知り、冒頭のように伝えたとされる。

 「捕まった6名のうち4名が、稲垣が大家をしている蕨市の物件に住んでいたのです。警視庁が家宅捜索のため、稲垣に合い鍵の提供を打診した直後、逃走を促す電話をしたとみられています。

 逮捕者のなかには住吉会系暴力団の幹部がいて、覚醒剤は彼らがメキシコの麻薬カルテルを通じて仕入れたとみられている。かねてから警察では、稲垣のアパートが麻薬犯罪の温床となっている可能性があるとして捜査を進めていたようです。彼女と反社会的勢力との関係性については、現在も捜査が続いています」(全国紙社会部デスク)

 実は稲垣容疑者は、地元では有名な人物だ。蕨市や川口市に約30棟のアパートやマンションを所有しており、そこに暴力団関係者や半グレ、中国系マフィアなどを次から次へと「無審査」で入居させていたというのだ。

 「ヤクザアパート」――ガラの悪い男たちが出入りする稲垣容疑者の所有物件は、地元でそう呼ばれ、近隣住民からは恐れられている。

 ヤクザを住まわせ、犯罪の手助けまでしてしまった稲垣容疑者とはどんな人物なのか。そして、彼女のもとに集まってくるのはどんな人々なのか。

 本誌は「ヤクザアパート」の実態を調べるべく、埼玉県蕨市を訪ねた。

 JR西川口駅に降り立ったとき、まず目に入るのが外国人の多さだ。中国語を話す家族連れや中東系の大男など、日本人のほうが少なく感じられる。駅前のパチンコ屋の前には黒塗りのバンが止まっていて、車の傍では入れ墨の入った男が仁王立ちで周囲を睨みつけている。地元の暴力団関係者は、こう解説する。

 「このあたりは昔からヤクザが非常に多い。風俗店の経営や覚醒剤の売買をシノギにしてきました。最近はチャイニーズマフィアが入り込んで勢力を拡大していますが、住吉会系の暴力団や極東会系の暴力団が、依然として存在しています」

 【つづきを読む】『埼玉・蕨の「ヤクザアパート」の大家が逮捕…近隣住民が明かす「ヤバすぎる実態」と長女が語った「母の過去」』

 「週刊現代」2024年6月22日号より