北新地の路上で酔っ払い、バーに連れ込まれ60万円決済される…被害相談2000万円

AI要約

大阪府警が北新地のバーでの昏睡強盗事件を解決。犯人は男性客に酒を飲ませクレジットカードを不正使用し金をだまし取っていた。

事件が組織的に繰り返されており、被害総額は約2000万円。府警が関連店舗にも捜査を広げている。

北新地では客引きに頼る店が増加し、禁止地域への引き上げが求められている。

 大阪・北新地の路上で酔っ払った男性に声をかけてバーに連れ込み、クレジットカードの不正使用で金をだまし取ったとして、大阪府警は22日、バー「Monica」(大阪市北区曽根崎新地)の経営者で中国籍の董春雨容疑者(40)と従業員の女4人(20~50歳代)を昏睡(こんすい)強盗や電子計算機使用詐欺などの疑いで逮捕した。この店舗では同様の被害が相次いでおり、府警が捜査を進める。

 捜査関係者によると、董容疑者ら女5人は昨年12月と今年4月の未明、40~50歳代の男性客2人に酒を飲ませ、財布からクレジットカードを抜き取るなどして架空の飲食代を決済し、計約60万円をだまし取るなどした疑い。

 府警には2022年以降、Monicaと関連店についての同様の被害相談が約60件(被害総額約2000万円)あった。府警は、董容疑者らが組織的に繰り返していたとみている。

 北新地の飲食店関係者らによると、Monicaの関連店舗が入るビル周辺では、女性が泥酔者に声をかけ、強引にビルに連れ込む様子が度々目撃されていたという。

 北新地では近年、コロナ禍で減った客足を取り戻そうと客引きに頼る店が目立つようになった。大阪市は18年から客引き禁止条例で指導員が巡回する「重点地区」に指定しているが、クラブやスナックなど約500店舗が加盟する北新地社交料飲協会は、罰則のある「禁止区域」への引き上げを市に求めている。

 同協会の徳永真介専務理事は「客引きは街の品位を落としかねず、危機感を抱いている」と話す。