近畿地方で梅雨入り…平年より2週間遅れ、暑さに慣れるまで熱中症に注意を

AI要約

梅雨のシーズンが平年より約2週間遅れて始まり、湿度が高まっているため熱中症に注意が必要とされている。

梅雨前線が停滞し北上が遅れたことが遅い梅雨入りの原因となっている。

暑熱順化が進むと熱中症リスクが高まるため、水分補給や適度な運動、暑さへの耐性を高める工夫が必要とされている。

 近畿地方でも平年より約2週間遅れで梅雨のシーズンが始まった。遅い梅雨入りで湿度が一段と高まり、蒸し暑い日が続く恐れがあるとして、環境省などは熱中症への注意を呼びかけている。

 気象情報会社「ウェザーニューズ」(千葉市)によると、5月中旬から沖縄付近に停滞していた梅雨前線は、太平洋高気圧の北への張り出しが弱かったためになかなか北上できず、梅雨入りが遅くなっていたという。

 湿度が高いと、汗が蒸発しにくくなる。そのため体内で発生した熱がこもってしまい、熱中症のリスクが高まる。

 総務省消防庁のまとめでは、熱中症による救急搬送者は昨年までの3年間、5月の計7949人に比べ、6月は計2万8149人と3・5倍に急増。6月は体が暑さに慣れる「暑熱順化」がうまくいっていないことも背景にあるとされる。

 立命館大スポーツ健康科学部の後藤一成教授(トレーニング科学)によると、暑熱順化が進むと皮膚の血流量や発汗量が増え、体内の熱を周囲に逃しやすくなる。

 この時期の暑熱順化には、十分に水分を取って軽い運動や入浴を心がけるほか、長袖の重ね着で汗をかく工夫も効果的だといい、後藤教授は「暑さへの耐性を得るのに1~2週間程度かかる。本格的に暑くなる前に、体作りを進めてほしい」としている。

 気象庁は21日午前、近畿、東海、関東甲信の各地方が梅雨入りしたとみられると発表した。各地方とも平年より2週間ほど遅い。同庁は、大雨や土砂災害などへの警戒を呼びかけている。

 大阪管区気象台によると、近畿は記録が残る1951年以降、3番目に遅く、昨年より23日、平年より15日遅かった。西日本に梅雨前線が停滞する影響で、近畿では今後1週間、雨や曇りの日が続くと予想される。大阪市北区のJR大阪駅前では21日朝、多くの通勤客が傘を差し、足早に職場に向かう姿が見られた。