「奥能登国際芸術祭」で設置、常設展示作品「さいはてのキャバレー」解体へ…地震被害大きく修繕断念

AI要約

石川県珠洲市で行われた奥能登国際芸術祭の常設展示作品「さいはてのキャバレー」が地震の被害で解体・撤去される見通しとなった。

地震による損傷が大きく、修繕を見送る方針が示され、展示を再開するには大規模な修繕が必要とされている。

元々定期船の待合所で、19世紀のパリのキャバレーをモチーフに改装されており、憩いの場として市民にも開放されていたが、キャバレーがなくなることで寂しい思いをする人もいる。

 石川県珠洲市全域を舞台にした2017年の第1回「奥能登国際芸術祭」で設置された常設展示作品「さいはてのキャバレー」が、解体・撤去される見通しとなった。能登半島地震による被害が大きく、16日の同芸術祭実行委員会総会で修繕を見送る方針が示された。

 総会では、常設展示作品23点のうち、11点が地震による損傷が激しく、展示を再開するには大規模な修繕が必要と報告された。実行委の担当者によると、キャバレーは津波で建物の外壁などが損傷し、周囲では地盤の隆起も確認されているとして、解体される見通しになった。

 建物は元々珠洲市と新潟県佐渡市を結ぶ定期船の待合所で、芸術祭を機に19世紀のパリのキャバレーをモチーフに改装された。3年に1度の芸術祭で公開されていたほか、期間外もディナーショー会場などとして市民らに開放されていた。

 キャバレーで、司会や食事の提供をしてきた珠洲市のレストランオーナーの女性(55)は、「音楽や芸術を語り合う文化サロンのような存在だった。憩いの場がなくなるのは寂しい」と肩を落とした。