岸田首相「何がやりたいのか」の指摘に「明日は今日より良くなる姿を」強調も国民には響かぬ答弁

AI要約

岸田文雄首相は10日、参院決算委員会で自身の政治姿勢を問われ、肝いり政策や将来の展望について語るも、多くの国民には響かない内容に終わった。

芳賀道也議員が首相の政権運営に疑問を投げかけ、「検討、検討ばかりで何がしたいか分からない」と指摘した。

与党席からは拍手が起きつつも、物価高や日本の現状に対して疑問を呈する声が上がり、国民の期待に応えるべきだとの要望があった。

岸田首相「何がやりたいのか」の指摘に「明日は今日より良くなる姿を」強調も国民には響かぬ答弁

 岸田文雄首相は10日、参院決算委員会の締めくくり総括質疑の中で「検討、検討ばかり。総理になって『これだけはやりたい』と思ったことはあったのか」と指摘される場面があった。首相は、自身が手掛けた肝いり政策を列挙し「明日は今日より必ずよくなるという姿をみせたい」と訴えたが、物価高に苦しむ多くの国民には響かない内容に終わった。

 国民民主党の芳賀道也議員の質問に答えた。

 芳賀氏は、これまでの岸田首相の政権運営を念頭に「検討、検討ばかりで何がしたいか分からない」と苦言。「政治家になっても、総理になるということはなかなかない。総理になったら国民のためにこれだけはやりたい、と思ったことはあったのか、なかったのか」と、首相の政治姿勢をただした。

 これに対し、岸田首相は「総理になって、先送りできない課題に1つ1つ取り組まなければならないと申し上げた」とした上で「経済では新しい資本主義を進め、安全保障、防衛力についても抜本的強化を行わないといけないと政策を拡充させ、エネルギーについても大きな政策転換を行った。そして何より、子ども子育て政策。我が国最大の課題の少子化対策に具体的に向かわないといけないと申し上げた」と主張。「すべて、日本の将来の予見可能性を国民の前にしっかり示すためだ。明日は必ずよくなるという予見可能性があってこそ、多くの国民のみなさんに、だったら自分はこうしようと思ってもらえる。そのために大きな方向性を示さないといけない。日本は明日は今日より必ずよくなるという姿を見せたい。これが私の取り組んできた大きな目標だ」と、豪語。「これからも、こうした政策を前に進めることで多くの世代、次の世代が日本の未来に希望を持ってもらえるように努力したい」と訴え、与党席からは拍手が起きた。

 ただ目標が現実に追いついているのかは別問題で、芳賀氏は「明日は良くなると思えない状況が続いている」と指摘。「物価は上がって暮らしていけない人も、お店も農業も続けられない人もいる。そんな中でも、都会では1億も2億もするようなマンションが投機で飛ぶように売れている。こんな日本でいいのか」と、首相が思い描く日本になっているのかと、疑問を呈した。その上で「ぜひ国民の声に応え『岸田総理はあれだけはやってくれた』という政策を実現するよう求めたい」と注文した。