上川陽子外相「世界を協調に導く平和外交を展開する」 交詢社フォーラムで講演

AI要約

上川陽子外相は、既存の国際秩序が挑戦にさらされ民主主義の真価が問われている現下の国際情勢について認識を示した。

彼女は、日本外交の未来について、協調を重視し自由で開かれた国際秩序の維持・強化を訴え、平和外交を展開する必要性を強調した。

また、女性・平和・安全保障(WPS)を外交政策の一つに位置づけ、災害大国としての実績を生かし新たな地平を開く取り組みを紹介した。

上川陽子外相「世界を協調に導く平和外交を展開する」 交詢社フォーラムで講演

上川陽子外相は9日、現下の国際情勢について「日本を含め多くの先進国が人口減少や経済力の相対的低下などの課題に直面する中、既存の国際秩序が想像以上に挑戦にさらされ、民主主義の真価すらも問われている。日本の役割も問われている」との認識を示した。その上で、今後の日本外交について「世界を分断・対立ではなく協調に導きながら、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の維持・強化を強く世界に訴え、人間の尊厳を中心に据えた平和外交を展開する」と強調した。

東京都千代田区の大手町サンケイプラザで開かれた第15回「交詢社オープンフォーラム」(産経新聞社後援)で、「ウクライナ・中東・中国~激動の世界情勢を日本が生き抜く道」をテーマに講演した。

上川氏は昨年9月の外相就任以来、力を入れている取り組みとして、戦争の解決や平和構築の過程に女性の視点を組み込む「女性・平和・安全保障(WPS)」を紹介。ロシアの侵略を受けるウクライナや、戦闘が続くパレスチナ自治区ガザ情勢の復興支援などを巡り「災害大国としての実績を生かし、平和国家としての新たな地平を開くために、WPSを日本の主要な外交政策の一つに明確に位置づけ、推進する」と説明した。