岸田首相「ルールは法案成立後に各党で検討」10年後の領収書公開に野党「本当にできるのか」

AI要約

岸田首相は政策活動費について領収書を10年後に公開すると明言したが、具体的なルールはこれから詰めると述べた。国民民主党の議員から疑問が呈されたが、首相は現時点では詳細を示さず

政務活動費の10年後の領収書公開については、首相は合意はしているものの具体的な数字や罰則については未確定であり、議論が必要との認識を示した

自民党が提出した政治資金規正法改正案は衆院で可決され、参院に送られることとなった。首相は政策活動費の取り扱いに関する議論を進める考えを示している

岸田首相「ルールは法案成立後に各党で検討」10年後の領収書公開に野党「本当にできるのか」

 岸田文雄首相は5日の衆院政治改革特別委員会で、政策活動費について領収書を10年後に公開するとしていることについて、「本当に出来るのか」と問われ「具体的な領収書などの取り扱いのルールは、これから詳細を詰める」と答えた。国民民主党の長友慎治議員の質問に答えた。

 長友氏は「政務活動費の10年後の公開は、本当にできるのですか。国民は気付いていますよ、本当にできるのかと」と疑問を呈し、領収書の保存方法や公開のルールなどについてただした。

 政務活動費の10年後の領収書公開は、日本維新の会の馬場伸幸代表とのトップ会談で合意したものだが、首相は額の上限についても「設定することで合意をしたが、具体的な数字は確定していない」とした上で「各党で合意をしていきたい」と述べるにとどめ「何も決まっていない。何を合意したのか、国民も私たちも理解できない」と指摘を受けた。もし不正が発覚しても、10年の間に規制法や所得税法は時効になることを指摘され「そうなるとだれも罰せられない。これでは脱税し放題のお墨付きを与えるだけの『焼け太り法案』と言われても仕方ない」と、批判される場面もあった。

 これに対し、首相は「保存や、毀損(きそん)した場合の対応、ルールは法案成立の暁に罰則も含めて各党会派で検討を行われると認識している」と述べた。

 長友氏は、領収書が10年間保管された場合、「ないとか、感熱紙タイプの領収書は印字が消えるし、ぼろぼろになる領収書も少なくない。確定申告をしていれば常識的に分かる」「10年後に政党が離合集散したり、会計責任者が交代するなどして『当時の者がいない』と説明責任が果たされないのは、容易に想像できる」と指摘したが、首相は「法案成立の暁には、紛失や毀損(きそん)した場合の対応、罰則について検討が行われると認識している」と同じ答弁を繰り返した。

 自民党内の迷走のとばっちりを受けて、1日延期された委員会での質疑を経て、自民党提出の政治資金規正法改正案はこの日の同委員会で自民、公明両党と日本維新の会の賛成多数で可決された。6日の本会議で衆院を通過し、参院に送られる。