恐怖…大地震で「エレベーターに閉じ込められる人」が意外と多いという深刻実態

AI要約

2011年3月11日に起きた東日本大震災をはじめとする複数の震災を振り返り、今後の大規模自然災害に対する防災意識の重要性を訴える『首都防衛』の重要性について語られている。

巨大地震が発生した際の恐怖の一つである「エレベーターでの閉じ込め」に焦点を当て、最新のエレベーターであっても閉じ込められる可能性や実際の事例を紹介している。

常に最悪のシナリオを想定し、防災意識を高める必要性を強調しており、日本で起こり得る大災害の全容をシミュレーションする重要性を示唆している。

恐怖…大地震で「エレベーターに閉じ込められる人」が意外と多いという深刻実態

 2011年3月11日、戦後最大の自然災害となる東日本大震災が発生した。あれから13年、令和6年能登半島地震をはじめ何度も震災が起きている。

 しかしながら、これから起きうる大きな自然災害(首都直下地震、南海トラフ巨大地震、富士山噴火)について本当の意味で防災意識を持っている人はどれほどいるだろうか。

 もはや誰もが大地震から逃れられない時代、10刷ベストセラーの話題書『首都防衛』では、知らなかったでは絶対にすまされない「最悪の被害想定」が描かれ、また、防災に必要なデータ・対策が1冊にまとまっている。

 (※本記事は宮地美陽子『首都防衛』から抜粋・編集したものです)

 巨大地震が発生したとき、恐怖のひとつに「閉じ込め」がある。

 たとえば、エレベーターで閉じ込められたとしたら……。

 〈震源に近い地域ではP波のあとにS波が伝わる間の時間が非常に短くなるので、速報が強い揺れ(S波)の到達に間に合わない場合がある。

 高確率での発生が予想される首都直下地震でも、避難はおろかP波に対応して最寄り階に自動停止する「地震時管制運転装置」が付いている最新のエレベーターでもエレベーター内に閉じ込められる事態が発生する可能性がある。〉(『首都防衛』より)

 最新のエレベーターだったとしても閉じ込められる可能性があるというのは恐怖かもしれない。

 実際に、いくつも実例がある。

 かなり多くのエレベーターが緊急停止し、人が閉じ込められている。

 〈2018年6月の大阪府北部地震(M6.1)の震源は、地下13キロ程度と浅かった。

 気象庁はP波を検知してから3.2秒後に緊急地震速報を出したが、大阪府北部や京都府南部など震源に近い地域では大きな揺れが速報よりも先に到来した。

 2府3県のエレベーター約12万2000台の半数ほどは震度5弱以上の地域で緊急停止し、346台で人がエレベーター内に閉じ込められた。

 そのうち139台には地震時管制運転装置が搭載されていた。だが、最寄り階に着く前に強い揺れが生じたため急停止していたのだ。〉(『首都防衛』より)

 エレベーターに乗っているとき、寝ているとき、仕事中……いつ巨大地震が襲ってくるかわからないのだから、常に最悪の「そのとき」を頭に入れて日々生活したい。

 つづく「『まさか死んでないよな…』ある日突然、日本人を襲う大災害『最悪のシミュレーション』」では、日本でかなりの確率で起こり得る「恐怖の大連動」の全容を具体的なケース・シミュレーションで描き出している。