「ポルシェの魅力」は速さや強さだけじゃない! 東京マラソンや東大先端研ともコラボ!! ポルシェが地道なCSR活動を続ける理由とは?

AI要約

ポルシェのBEV(電気自動車)である「タイカン」が、東京マラソン2024の大会支援車両として活躍したことで注目を集めた。

ポルシェジャパンは、持続可能性を考慮したCSR活動を積極的に展開しており、サステナビリティ、コミュニティ、ユース・サポートを柱としている。

特にユース・サポートプロジェクト「LEARN with Porsche」は、若者の夢を育むことを目的として展開されており、中邑教授の研究室で開催された同窓会では若者たちの活発な議論が行われた。

「ポルシェの魅力」は速さや強さだけじゃない! 東京マラソンや東大先端研ともコラボ!! ポルシェが地道なCSR活動を続ける理由とは?

 2024年3月に開催された「東京マラソン2024」を、驚きとともに観戦されたクルマ好きも多かったのではないでしょうか? ポルシェのBEV(電気自動車)である「タイカン」が、審判長車や先導車といった大会支援車両として活躍していたからです。

 近年、環境問題への取り組みや地域コミュニティへの参加など、持続可能性を考慮したCSR活動、つまり、企業が組織活動をおこなうに当たって担うべき社会的責任に対して注目が集まっています。

 東京マラソンへ「タイカン」を車両提供したのも、ポルシェジャパンによるCSR活動の一環です。しかしこれは、同社が展開する活動の一部に過ぎません。実は近年、ポルシェジャパンは、多彩なCSR活動を展開していることで密かに注目を集めているのです。

 東京マラソンのような一大イベントであれば多くの人の目に触れますが、意外なことに同社の取り組みの多くは、各地域に根差した堅実な活動が占めています。

 ポルシェといえば世界屈指のスポーツカーブランドゆえ、華やかなイメージがあるのは事実ですが、それとは裏腹にも感じられるポルシェのCSR活動。なぜ同社がこうした活動をおこなっているのか、その理由を探ってみましょう。

 現在、ポルシェジャパンは、サステナビリティ、コミュニティ、ユース・サポートという3つを柱とし、CSR活動を展開しています。

 具体的に解説すると、サステナビリティは千葉県木更津市の「ポルシェ・エクスペリンスセンター東京(PEC東京)」における環境保全への取り組みなど。コミュニティはPEC東京を会場として提供するランニングイベントなど多岐にわたります。

 なかでも特にユニークなのがユース・サポート。すなわち、若者の夢を育むべく展開されているプロジェクト「LEARN with Porsche」かもしれません。

「LEARN with Porsche」は、東大先端研「個別最適な学び」寄付研究部門・中邑賢龍教授の研究室と共同で展開しているプロジェクトで、2021年から毎年開催されています。

 2023年には従来の流れに沿ったスカラーシップに加えて、“ものづくり”をテーマとしたプログラムも初開催。新たな広がりも見せています。

 そんな「LEARN with Porsche」の参加者たちが、先日、中邑教授の研究室に集い“同窓会”を開催。筆者(村田尚之)も興味本位で足を運んでみました。

 当日は、中学3年生からすでに大学へと進学した初回メンバーまで、20名を超える若者が参加しました。年齢は6~7歳ほどの差がありますが特に垣根を感じることなく、中邑教授の問いかけに対して話に華が咲きます。

 日常や学生生活といった明るいテーマにはハキハキと明瞭に答える一方、語学学習などやや難解なテーマでは答えに逡巡する……そんな姿も若者らしいといえるのではないでしょうか。

 筆者個人の印象としては、多感な時期の若者を対象としたプログラムである「LEARN with Porsche」ですから、単にカリキュラムを用意するだけでなく、こうしたケアの機会も不可欠なのだなと強く感じました。

●ポルシェジャパンからの申し出により始まった興味深いプログラム

 ときにおだやかに、ときに激論が繰り広げられる“同窓会”を終えた中邑教授は、「LEARN with Porsche」について次のように話してくれました。

「私たちは日本の教育を変えたい、動かしていきたいと思っていました。例えば、学びに困難さを抱えている子どもたちも多く存在し、ポルシェジャパン以外とコラボレーションしたLEARNプログラムでは、そういった部分に取り組んできました。

 一方、学びに対するポテンシャルは高くても『自分はどんな将来を目指す!』という目的意識が高すぎるがゆえに、無限の選択肢や可能性に気づかない若者も多くいるのが実情です。

『LEARN with Porsche』は、我々がそういう若者たちに気づきの場を与えたい……と思っていたなか、同じ意思を持つポルシェジャパンからの申し出があったおかげでスタートすることができたプログラムなのです」